二軍で絶好調のDeNA藤田一也 意気込み十分のベテランに期待が高まる理由
藤田にチャンスは訪れるのか。三浦監督(写真)の判断に注目だ(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
DeNAの藤田一也が絶好調だ。
今シーズン一軍出場はまだないものの、二軍で17試合に出場して打率.385、OPS.933。直近の11日のロッテ戦では7回ノーアウト二塁に代打で出場。タイムリーツーベースを放ち、連続安打を6打席に伸ばした。
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DeNAは現在、楠本泰史が左の代打として起用されるケースが多く、今シーズンの代打での打率は.304、また得点圏打率.368と集中力の高さと勝負強さを発揮している。ただ、楠本はスタメン出場する試合も少なくはなく、その場合は左の代打候補は神里和毅と林琢真。しかし、二人の代打での打率は神里(.143)と林(.000)とどちらも芳しいとは言えず、楠本と比較すると決定力に欠ける。信頼できる左の代打の切り札をベンチにもう一人置いておきたいところ。そこでフォーカスされるのが、藤田の存在だろう。
調子の良さに加えて、藤田が代打で出場した時の盛り上がりもチームを後押しする要素のひとつ。横浜スタジアムの試合は、応援席から空気を変えるケースも珍しくない。重苦しい空気を一変させられる存在感も藤田は持っている。
全ての選手が今シーズンに強い意気込みを持って臨んでいるが、その中でも藤田は並々ならぬ覚悟があるはずだ。
昨シーズンのクライマックスシリーズのファーストステージ第3戦、勝利か引き分けならファイナルステージに進出できる3位・阪神との大一番。1点を追った9回一死満塁で、藤田は代打で出場した。横浜スタジアムのボルテージが最高潮に達したシチュエーションで、初球を打って併殺打。気迫のヘッドスライディングもおよばず、文字通りDeNAの“最後のバッター”になってしまう。試合終了後はしばらく立ち上がることができないほど、悔しさをあらわにしており、その姿は多くの野球ファンの心を打った。
プレーオフで味わった屈辱を晴らそうという強い気持ちだけでなく、チーム最年長40歳の大ベテランの経験は大きな武器だ。藤田が一軍でいぶし銀の活躍を見せ、チームを勝利に導く瞬間が待ち遠しい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]