連敗ストップの阪神、采配光る岡田監督の”変貌ぶり”を球団OBが指摘「若い選手のプレーを見守って楽しんでいる」

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岡田監督の采配は選手への信頼を感じさせるものだ(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 6月11日に行われたプロ野球交流戦、日本ハム対阪神のゲームは1-0で阪神が勝利し、連敗を3で止めた。2カード続けて負け越しが決定して迎えたこの試合、阪神が接戦を制し辛くも連敗ストップ、3タテを防いだ。

 日程も残りわずかとなった交流戦ではここまで5勝7敗と負け越しとなっている阪神だが、セ・リーグでは2位・DeNAに4.5ゲーム差をつけ首位を快走中。積み上げた貯金16もダントツで両リーグ合わせて最多の数字だ。ここまで3連敗がわずか1度だけと、ここ数年でも最も安定した戦いを繰り広げてきており、岡田彰布監督の采配、手腕による部分が大きいと言えるだろう。今季は内野陣でも大胆なコンバートを行い、開幕からほぼ固定のスタメンも継続、その上での首位という結果であるだけに、打つ手が功を奏していることは明らかだ。

【動画】阪神が連敗を3でストップ!湯浅京己が無失点に抑えた日本ハム戦のセーブシーン

 選手へ寄せる信頼も厚く、目先の結果には左右されない采配も目立つ。11日の日本ハム戦、最後にマウンドに登り試合を締めた湯浅京己は、自身の前回登板となった8日の楽天戦で逆転サヨナラ本塁打を浴びている。3日前に今季初黒星を喫したばかりの湯浅を1-0の展開だった日本ハム戦のクライマックスに送り込んでいる。

 他にも、不調が続く佐藤輝明や、打率1割台の梅野隆太郎も、さまざまな声が挙がる中、辛抱強く起用を続けていることなどにも、選手への信頼を変えない岡田采配の特徴がうかがえる。

 ここまで最高の結果を残している指揮官について、かつて共に戦った参謀もその監督像を語っている。球団OBであり2005年、阪神の投手コーチとしてリーグ優勝に貢献した中西清起氏がYouTubeチャンネル『中西清起の虎の穴チャンネル』を6月11日に更新、岡田監督の表情や采配にも自身の見解を述べている。

 この動画では、同じく元阪神で選手として2度の優勝を経験している桧山進次郎氏がゲスト出演しており、いずれも今季の岡田監督に対し「笑顔が多い」と口をそろえた。さらに桧山氏は「若い選手のプレーを見守って楽しんでいる。そんな感じがする」とも指摘している。

 また、選手、指導者としても同時期に阪神を支えた中西氏も「今はコーチともよくしゃべっている。齢をとって丸くなったのかな」と表情を緩めていた。

 さらに中西氏は指揮官としての選手の起用法にも言及。「岡田監督は調子が悪くなって打順を下げるということはしない。ダメならスタメンから外し、それでもだめならファームに送る」と話している他、「選手は我慢強く使う。(今季も)梅野なんかはかなり我慢強く起用している」として、岡田監督「らしさ」を評していた。

 中西、桧山氏のコメントにもみられるように、前回に比べどこか穏やかな雰囲気を漂わせている岡田監督。試合結果や選手の成績にも動じることの無いその落ち着きぶりこそ、チームを束ねる上での重要な要素なのかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]