阪神に再び現れた「第3のロマン砲」岡田彰布監督の「起用」も話題に

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岡田監督も若手を積極的に育てようとしている(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 阪神は7日の楽天戦(楽天モバイルパーク)に11−3と大勝。大幅に打線を組み替えて臨んだ試合で、相手先発の田中将大を攻略、岡田監督の読みがずばりはまった試合となった。

 この日はノイジー、木浪聖也を外し、小幡竜平、ミエセスらをスタメンに起用。中でも注目を集めたのは3番に抜擢した前川右京にあった。

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 左の大砲候補として本格覚醒が期待されるプロ2年目の大型外野手は前日の試合でプロ初安打をマークしたばかりだった。

 いきなりの大抜擢となったが、前川は落ち着いていた。初回の第1打席で田中将のスプリットを捉え、中前打を放つと、3回にも二塁強襲の内野安打を放ち、マルチ安打を達成。与えられたチャンスにしっかり応えてみせた。高卒2年目の先発クリーンアップは浜中治以来となり、今後の活躍も期待される。

 前川は21年ドラフト4位入団。ルーキーイヤーの昨年は3月13日の巨人とのオープン戦でマルチ安打をマークするなど鮮烈デビューも話題を呼んだ。だが、シーズンに入ると故障が多く、アピールはなかなか叶わなかった。体力をつけて臨んだ2年目シーズン、着実に結果を刻み始めた。

 またチームには開幕スタメンで起用したドラフト1位ルーキーの森下翔太、今季がプロ4年目となる井上広大など将来のクリーンアップ候補と目される粒ぞろいの野手が多いが、前川もその一人。前川の3番起用は岡田監督自らが進言したと明かしているが、前日プロ初安打を放ち、プレッシャーから解放されたことを見越して、抜擢するなど心理面にたけた起用も光った。

 この日は前川の活躍以外にも5番・佐藤輝明が自身初の1試合2三塁打、ミエセスの4号ソロ、5回の小幡のセーフティスクイズなど見どころ満載のゲームとなった。チームは再び貯金を最多タイの18とし、2位・DeNAとのゲーム差は6・5ゲームまで広がった。岡田監督が目指す「アレ」に向けて、着々と独走態勢を固めようとしている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]