DeNAバウアー炎上の理由を球界OBが分析 すでにクセが見抜かれている?

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3試合に先発してQSは1回。まだ日本の野球になじんでいないようだ(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 サイ・ヤング賞という華々しい実績を引っさげ、鳴り物入りでNPBにやってきたDeNAのトレバー・バウアー。デビュー戦となった5月3日の広島戦では7回1失点と好投を見せたものの、9日の巨人戦では6回7失点、16日の広島戦では2回7失点と、2試合連続で炎上。防御率は8.40と期待を大きく下回る結果しか残せていない。

 まだまだ32歳と年齢的にも脂が乗っている現役バリバリのメジャーリーグのバウアーではあるが、なぜこうも簡単に日本の打者に攻略されてしまったのだろう。現役時代は巨人などで活躍した高橋尚成氏が、自身のYouTubeチャンネルでバウアーが苦戦している理由を解説した。

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 まず、「キーポイントは左バッターになってくる。全部左バッターにやられている」と説明。バウアーは右打者への被打率が.280なのに対し、左打者は.452と明らかに左打者を苦手にしている。その原因として「なんかバレてる気がする。例えば、投球にクセがあるとか。セットポジションで一塁ランナーがいる時、牽制のクセは間違いなく出てる」と投球フォームのクセをすでに他球団に丸裸にされている可能性を指摘した。

 また、メジャーの主流はフライボール革命のため、高めのゾーンを効果的に使用することが主な攻め方になっている現状に触れ、「日本のバッターってどちらかというとフライをかち上げていくより、上からコンパクトにライナー性の打球を打つバッターが多い。高めの球は簡単にコンタクトされやすい」「変化球も高めから入ってくるので、バットが一番出やすい、一番手が伸びるところに変化球が来ちゃう」と語る。MLBでは良しとされていた高めの球も、NPBでは絶好球になってしまうケースも珍しくない。むしろNPBのバッターからすればバウアーは打ちごろの投手と言えるのかもしれない。

 そして、バウアーがNPBで本来の活躍をするためには、「アメリカと日本の野球は全く別。日本のバッターをもう少し知ったほうが良い」とまずはNPBへの理解度を深めることに加えて、「『力でねじ伏せてやろう』っていう気持ちになっている。もう少しコースに投げ分けて、低めのゾーンに投げていくのがすごく重要」とコントロール重視の投球にシフトする必要性を説いた。

 バウアーの欠点が浮き彫りになり、いかに謙虚にNPBにアジャストできるかが重要になる。ただ、バウアー自身の気持ちの切り替えも大切ではあるが、DeNAのキャッチャー陣が“メジャーの大物”として接するのではなく、しっかりコミュニケーションをとり、信頼関係を築くことも必須になってきそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]