【巨人】戻ってきた「8回の男」に球界レジェンドOBが指摘する「復活のポイント」とは

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以前から勝負は6月と公言していた原監督(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 巨人が状態を上げてきた。以前から原監督は「勝負は6月」としていたが、18日のヤクルト戦(神宮)も6−3と勝利し、同一カード3連勝。最大6あった借金を1まで減らし、3位の広島に1ゲーム差と迫っている。

 18日の試合では好調な秋広優人がプロ初の三塁打を含むマルチ安打、吉川尚輝が適時打、坂本勇人も6号3ランと若手、ベテランが融合しての理想的な勝利となった。

【動画】5回表に、貴重な勝ち越しとなる第6号3ランホームランを放った坂本

 先発した左腕、横川凱は6回2安打1失点とまとめ、自らで適時打を放つなど、バットでも貢献した。

 またこの日は連投が続いていた守護神の大勢をベンチ外とし、4点リードの7回からは4投手の継投で逃げ切った。

 一方、この3連戦で注目を集めたのは「8回の男」として知られる中川皓太の復帰登板にもあった。

 17日のヤクルト戦、4点リードの場面で8回のマウンドに上がった中川はいきなり先頭の塩見泰隆に3号ソロを浴びると、続く青木宣親に左前打、山田哲人に適時二塁打とつるべ打ちにあった。無死二塁で村上宗隆を遊飛に打ち取った時点で降板、1/3を投げ、2失点だった。

 昨年は腰痛で一軍登板はなし。551日ぶりの一軍マウンドがほろ苦登板となったことに「そんなに甘くないなと。実力の差を痛感させられた」とブランクを受け止めた上で今後の巻き返しを誓った。

 2021年には救援で58試合に登板、これまでブルペンを支えてきたタフネス左腕の復活ロードにはどういったポイントが大事となるのか。

 この点に関しては、球団のレジェンドOBからも意見が寄せられている。

 元巨人監督で野球評論家の堀内恒夫氏は18日、自身のブログを更新。その中で17日のヤクルト戦(神宮)の中川の投球についてふれた。

 中川に関してはまず「4点リードしていたとはいえ8回のマウンドだ。久しぶりのマウンドで緊張もしただろう」と気遣った上で、「戻ってくる前に彼のピッチングをテレビで見ることがあってね」と続けた。

 そのときに気になった点として「投げる時に体で『壁を作る』んだけど彼、その時に、フッと腰をひいちゃうんだよね。壁が作りきれない。これだと、いい変化球は投げられないし小手先で投げるようになるからボールにキレもない。俺も腰痛に悩まされた一人だからよくわかるんだ」と自身の経験も含めて中川の現状について解説、投球に大事な下半身の使い方でまだ改良の余地があるとした。

 一方で約2年ぶりの復帰マウンドとなったことで堀内氏も「昨日は(17日は)打たれたけれど仕方ないよ。もう少し時間がかかると思うからファンの皆さんもそのつもりで見てやってください」とファンにも少し長い目で見守ってほしいとした。

 同ブログ内ではオリックスにトレードとなった広岡大志に対しても「2年という短い期間だったけど巨人軍のために戦ってくれてありがとう。シーズン途中で大変なこともあると思うけどオリックスに望まれていくんだ。頑張ってな。期待してますよ」とエールを送ることも忘れなかった。

 チーム課題とされる終盤の投手陣の運用がはまれば、さらにチームが勢いづくことは間違いない。今後も中川は注目の存在となりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]