【巨人】リリーフ陣乱調 「8回の男」合流で危機を脱することができるか

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リリーフ陣の起用に頭を悩ませる原監督(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 巨人は16日のヤクルト戦(静岡)に9−8と勝利。今季最多となる17安打9得点でヤクルトを振り切ったが、チーム課題である中継ぎ陣はこの日も不安定だった。

 打線は3回までに4得点と早めに援護したものの、先発の戸郷翔征が粘れない。5回に代打、川端慎吾に同点3ランを浴びるなど崩れ、6回途中を5安打5失点で降板。5ー5で迎えた7回は秋広優人の2点適時二塁打などで4点の勝ち越しに成功。このまま一気に突き放すかに見えたが、その裏には4番手で登板した田中豊樹が今度は塩見泰隆に3ランを被弾と1点差に迫られる緊迫の展開となった。

【動画】先発した戸郷が5回に代打・川端に同点3ランを浴びた場面

 最後は守護神の大勢が締めて、薄氷の勝利をもぎ取ったが、課題とされるリリーフ陣はこの日も不安定な投球となった。

 この試合の中継で解説を務めた野球評論家の谷繁元信氏も巨人のリリーフ陣について「こういう流れをパっと止められる投手が見当たらない。だから苦しいんですよ」と窮状を指摘。

 そんなチームに待望とされるのが、支配下選手に復帰した巨人・中川皓太投手(29)の存在にもある。

 中継ぎ左腕の中川は2021年に救援で58試合に登板したが、昨季は腰痛の影響で1試合も登板できず。「8回の男」として安定した働きを示していた中川を欠くことが昨年のV逸の一つの要因にもなったとされる。

 その中川は17日のヤクルト戦から一軍に合流する見込み。ただ故障明けで昨年は登板なしとブランクもあることで原監督も「あまり大きな負担をかけるのはどうか」と慎重な姿勢を見せている。

 一方、経験豊富な左腕が合流することでチームに生まれる安心感もある。現状はチームに若いリリーバーが多いことで、たとえ登板試合は少なくても落ち着いた投球を見せてくれれば、相乗効果も期待できそうだ。

 打線はこの日も17安打といよいよ勢いをつけてきた。打ち勝つ試合が目立つが、さらに投手陣が安定すれば、チームが走る可能性は高い。戻ってきた「8回の男」の起用法にも注目が集まりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]