「ボール球を振らなくなった」1試合2発で“大暴れ”の佐藤輝明 元阪神コーチが“完全復活”の要因を解説

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完全復活を印象付けた佐藤輝。このまま調子をあげていきたいところだ(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 5月14日、甲子園球場で行われた阪神とDeNAの首位攻防戦。佐藤輝明は「5番・三塁」で先発出場し、5打数2安打2本塁打7打点の活躍でチームの大勝に貢献した。この試合でDeNAに勝利した阪神は、1ゲーム差をつけて単独首位に浮上。チームは波に乗っている。

 初回2死一、二塁で迎えた第1打席、相手先発の平良拳太郎が投じた内角低めのスライダーを完璧に捉え、右翼スタンドへ先制3ランを叩き込んだ。さらに、4回2死満塁の場面では、2番手の三嶋一輝が投げた速球を振りぬき、打った本人も確信する打球で、ライトスタンドにまたしても叩き込んだ。

【動画】一気に打点トップに!佐藤輝明がこの日2本目となるグランドスラム弾を三嶋から放った場面

 佐藤は12日の同戦でも、相手エースの今永昇太からバックスクリーンへ一発を放っており、このカードでは計3本の本塁打を記録。開幕当初は打撃面で苦しんでいたが、ここにきて状態を上げてきている。

 この3連戦での佐藤の打撃を球界OBはどう見たのか。阪神で投手コーチを務めた中西清起氏は自身のYouTubeチャンネルで動画を更新し、佐藤輝明について言及する場面があった。

 中西氏は12日のホームランについて、「膝元で沈むくらいのボールを右手1本でバックスクリーンまで持っていったので、非常に強い打球の彼らしいバッティングだった。状態が良くなってきていますね」とコメント。阪神OBの中西氏の目から見ても、佐藤の「完全復活」を印象付ける一発だったようだ。

 “復活”の要因について同氏は「(開幕当初は)ボール球でも強引にスイングしていた部分があったんですけど、よくボールが見えてきましたし、ポイントもしっかり前で打てるようになってきていますね」と、佐藤の打撃について解説した。

 さらに、14日の試合で放った一発については、「悪い時は3ボールになるまでに、ボール球に手を出して凡打になっていた。(今回は)ボール球をしっかりと見極めて、フルカウントにスライダーをアジャストできましたね」とコメントし、ボール球に手を出さなくなった点を評価していた。

 開幕当初は快音が聞かれなかった虎の大砲が、いよいよ“量産体制”に入った。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]