通販大手のジャパネットホールディングスと資本業務提携したスターフライヤー。この提携で、機内はどのように変わったのでしょうか。実際に乗ってその違いを体験してみました。

3月から機内を「ジャパネット仕様」に

 北九州を拠点とする航空会社、スターフライヤーは2022年、通販大手のジャパネットホールディングスと資本業務提携する方針を発表しました。それにともなって2023年3月よりスターフライヤー機のサービスが「ジャパネット仕様」へと刷新されています。どのような変化をとげているのでしょうか。


スターフライヤー機(乗りものニュース編集部撮影)。

 ジャパネットホールディングスと提携前のスターフライヤーでは、機内のキャッチコピーを「プライベートオフィスのように快適に」「ホテルのラウンジのような寛ぎ」とし、黒基調の機体、革張りで他社の国内線仕様機より広い前後間隔でシートを配置し、全席に機内モニターを採用するなど工夫を凝らした内装を採用。快適性を全面に打ち出した機内を強みとしてきました。

 またその一方で、たとえばエイプリルフールにホンモノさながらのバナー広告を作る、機内でスターフライヤーのことをこき下ろしたTV番組をあえて放映する(テレビ西日本の『WORLD FUKUOKA NEWS』)など、国内の航空会社としては尖った企画を展開。他社とは一線を画すような取り組みも実施した結果、そのギャップで多くの旅行者を惹きつけてきた歴史を持ちます。

 提携後のスターフライヤー便では、こういった取り組みは、少なくとも機内では減少傾向にあります。まさに「空飛ぶジャパネットたかた」のように、それも従前とは異なる意味での工夫が各所に凝らされています。

離陸前から違う! 新・スタフラの機内

 大きく変わったのが個人モニターで放映されるコンテンツ。機内ではジャパネット系列が放映するBS放送局「BSJapanext(ビーエスジャパネクスト)」の番組に一新され、これまでのスターフライヤー機とは毛色が異なるコンテンツが見られるようになりました。


スターフライヤー機(乗りものニュース編集部撮影)。

 機内誌も「ジャパネット」仕様へとリニューアルされています。新機内誌は、特集記事コンテンツと機内販売カタログの両面表紙が特徴。読み物としてももちろん、機内販売カタログとしての機能を充実させています。商品も1本7万円する国産生ハムの原木やシャワーヘッドなど。航空会社としてはかなり独特なラインナップとなっており、機内コンテンツではその生ハムの製造過程を紹介する番組などを見ることができ、「購入したくなる仕掛け」が随所に見られます。

 これらの「ジャパネット」印の物販品は、購入ページのみ閲覧できる機内Wi-Fiを用いて、機内誌などのQRコードを読み込み、機内で注文すると、後日自宅などに届けられるシステムとなっています。

 このように「空飛ぶ通ジャパネットたかた」なりつつあるスターフライヤーの機内ですが、一方で、機内内装や降機時のボーディングミュージックが鳴るのもかつてと変わりません。ドリンクメニューのラインナップも、以前のままチョコレート付きのホットコーヒーやコンソメスープ、ジュースやお茶などとなっており、同社の強みである高級感はそのまま保たれています。