輸送機や早期警戒機じゃ、この数はほぼ無理でしょう。

教育訓練のための基地だからこそ

 アメリカ空軍は2023年4月15日、最大かつユニークな「エレファントウォーク」を実施したと発表しました。

 場所は、テキサス州にあるシェパード空軍基地。航空機80機、空軍将兵約3000人が参加し、おそらく空軍史上最大の規模で行われたそうです。


シェパード空軍基地の滑走路上に並べられるT-38「タロン」ジェット練習機(画像:アメリカ空軍)。

 これほど大規模に「エレファントウォーク」ができた理由について空軍は、この基地が訓練飛行隊の所在する場所からだとしています。説明によると、ここにはユーロ・NATO合同ジェットパイロット・トレーニングプログラム(ENJJPT)並びに、アメリカ空軍の下士官アカデミー、双方の本拠が置かれているとのこと。

 そのため、教育訓練用に多くの練習機が配置されているほか、多数の学生らが所在しており、だからこそここまで大規模に実施することができたとしています。

「エレファントウォーク」は、日本語では多数機発進準備訓練と呼ばれるもので、複数の航空機が滑走路においてタキシング(地上滑走)し、多数機による運用能力や即応態勢を確認するものです。

 起源は、一説によると第2次世界大戦中の連合国軍の爆撃機部隊だそうで、その後、アメリカ空軍において部隊の作戦能力を誇示したり、士気を向上させたりといった目的で行われるようになったそう。そして、大型機が並ぶ様子を象が集団で歩くのにたとえて、「エレファントウォーク」と名付けられたといいます。

 なお、用いられたのはT-38「タロン」ジェット練習機とT-6A「テキサンII」ターボプロップ練習機の2機種で、それぞれ40機が基地の滑走路上に並んでいます。