クイーンズランド州救急サービスのヘリコプターでケインズの病院まで搬送された44歳の男性。ワニに襲われて水中に引きずり込まれたものの、指で両目を突いて反撃。重傷を負ったが、容体は安定しているという(画像は『9News 2023年4月9日付「‘Fingers in the crocodile’s eyes and escape’: Man’s incredible fight for survival amid vicious croc attack」(Nine)』のスクリーンショット)

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豪クイーンズランド州北部のヨーク岬半島にある港町クックタウン近郊で8日、水中銃(スピアガン)を用いたスピアフィッシングをしていた44歳の男性がワニに襲われた。男性は水中に引きずり込まれたものの見事生還、「幸運としか言いようがない」と驚きの声があがっている。

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クイーンズランド州クックタウンから南に約20キロに位置するアーチャー・ポイントで8日午後1時前、44歳の男性がスピアフィッシング中にワニに襲われた。男性はワニに水底に引きずり込まれそうになったものの指でワニの目を何度も突いて反撃し、九死に一生を得た。

通報を受けて現場に駆けつけたクイーンズランド州救急サービス(以下、QAS)の航空救急救命士バレリー・ノーブルさん(Valerie Noble)は、豪ニュースメディア『9News』のインタビューに応じ、次のように述べた。

「男性を襲ったのは約4.5メートルの大きさのワニ(クロコダイル)で、水中にいたスピアフィッシング中の男性に近付いてきたようです。」

「男性はワニに気付き、水中銃でワニを払いのけようとして失敗しました。そしてワニに3度噛まれ、水底に引きずり込まれそうになったようですが、指で何度もワニの目を刺したことで逃げ切り、無事に岩場まで辿り着いたのです。」

男性はその後、一緒に来ていた6人の仲間に止血などの応急処置を施され、QASのヘリコプターの到着を待った。しかし現場はヘリコプターが着陸できず、担架で固定された後、ホイスト(つり上げ装置)で吊り上げられて機内に収容され、ケアンズの病院に搬送された。

なおこの事故で男性は、頭、足、肩に怪我をし、体の複数個所を骨折する重傷を負ったものの容体は安定しているという。またトラウマになるような体験をしたにもかかわらず非常に前向きでいるそうで、バレリーさんは驚きを隠せない様子で次のように述べていた。

「彼は本当に幸運ですよ。あれだけの経験をして生還する人なんてそうはいませんからね!」

ちなみに2020年には米フロリダ州で、巨大ワニに襲われた61歳の男性が人差し指で目を突き撃退、2021年にはインドの国立公園の川で、ワニに脚を噛まれた高齢女性が鋭利な調理器具で目を刺して命拾いしていた。

画像は『9News 2023年4月9日付「‘Fingers in the crocodile’s eyes and escape’: Man’s incredible fight for survival amid vicious croc attack」(Nine)』『Sky News Australia 2023年4月8日付「QLD man attacked by crocodile escaped by sticking his fingers in its eyes」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)