白内障や翼状片をはじめとする目の病気の診断には、基本的に専門的な医師による検査が必要とされています。しかしアラブ首長国連邦のドバイに住む11歳のリーナ・ラフィークさんが、AIを用いた独自のスキャン方法で目の病気やその他の状態を検出するiPhone向けアプリ「Ogler EyeScan」を開発しました。

Ogler Eye Scan - Innovative AI App for Eye Disease Detection

https://www.oglereyescan.com/



11-Year-Old Kerala Girl Develops AI App To Detect Eye Disease With Accuracy "Almost 70%"

https://www.ndtv.com/feature/11-year-old-kerala-girl-develops-ai-app-to-detect-eye-disease-with-accuracy-almost-70-3896847



Kerala girl, 11, develops AI app to detect eye diseases - Hindustan Times

https://www.hindustantimes.com/technology/kerala-girl-11-develops-ai-app-to-detect-eye-diseases-101679970586298.html

ラフィークさんは10歳の時に「Ogler EyeScan」の開発を開始しました。まず最初に、ラフィークさんはさまざまな目の状態を理解し、それからコンピュータービジョンや機械学習のモデル、およびそれらを生成するために必要なセンサーデータやアルゴリズムなどのテクノロジーについて学習しました。ラフィークさんは「このアプリは、サードパーティのライブラリやパッケージを使用せずにSwiftUIだけを使用してネイティブで開発されています」と報告しています。

ラフィークさんはAI関連企業の起業家である両親からコーディングの技術とAIを学ぶためのサポートを妹とともに受けたと述べています。





最終的に開発に1年を要した「Ogler EyeScan」は、高度なコンピュータービジョンと機械学習アルゴリズムを使用することで、光と色の強度や距離などのさまざまなパラメーターを分析し、スキャン範囲内の目の位置を特定することが可能です。また、目がスキャナーフレーム内に正確に配置されているかどうかも識別が可能とされています。



一定のスキャン品質を超えると、「Ogler EyeScan」は学習したモデルを利用して老人環や悪性黒色腫、翼状片、白内障などの目の病気や視覚に関連する潜在的な症状を診断します。



位置情報に応じて適切な病院の位置を地図上に表示することも可能です。



「Ogler EyeScan」の精度は約70%とされています。iPhoneを介してスキャンをキャプチャするために必要な距離が原因でグレアや光の散乱などが発生し、それが精度の低下につながっているとのこと。

ラフィークさんが開発した「Ogler EyeScan」は記事作成時点でApp Storeによる審査を受けており、公開された場合iOS16以降を搭載したiPhone X以上の端末でのみ対応します。ラフィークさんは「私は現在、より洗練されたモデルのトレーニングに注力しており、Ogler EyeScanがApp Storeの審査に通った際には、さらなるアップデート版をリリースする予定です」と述べています。

なお、「Ogler EyeScan」は潜在的な目の病気や状態を検出することに役立ちますが、資格のある眼科医による専門的な目の検査の代用にはならないとされています。