チョコのおいしさは感動必至！ 実力派パティシエールが作る絶品ショコラスイーツ
スイーツコンシェルジュのはなともさんが、お店に行くと必ず購入してしまうスペシャリテとは？ スイーツのプロが選ぶ！ とっておきの一品をご紹介。
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はなとも
日本スイーツ協会認定のスイーツコンシェルジュ。スイーツ専門のライターとしてさまざまなweb媒体で記事を連載中。著書「スイーツ男子はなともの I love パンケーキ」（KADOKAWA）、はなとも監修パンケーキミックス粉、その他、監修商品やコラボメニューなど多数。前職はお花屋さんという異例の経歴を持つ。
スイーツ好きなら一度は訪れたい、東京都目黒区の人気パティスリー「Addict au Sucre（アディクト オ シュクル）」。伝統のフランス菓子に独自のエッセンスを加味したスイーツは、味も見た目も繊細でとても魅力的です。中でもチョコとフランボワーズを合わせたケーキは、甘味と酸味のバランスが絶妙で一度食べると忘れられないおいしさ！ スイーツ好きは間違いなくハマる、絶品ショコラスイーツです。
やっぱりスイーツが好き。お菓子作りの道へ方向転換
「Addict au Sucre」は、東急東横線・都立大学駅から徒歩5分。カフェや雑貨店が並ぶ八雲通り商店街にあります。
店名の「アディクト オ シュクル」とは、フランス語で“甘味中毒”という意味。オーナーパティシエールの石井英美氏が「甘いものが大好き」ということと、「常にお客様を虜にする魅力的なお菓子、お店作りを目指すこと」を忘れず続けられるように、という思いが込められているそう。
石井シェフは大学卒業後、アパレル企業や実家の保育園に勤めていましたが、お菓子好きが高じて製菓学校「エコール 辻 東京」に入学。卒業後は、同グループのフランス校に進学し、フランスの「ル・トリアノン」（現在閉店）や「ル・グルニエ・ア・パン」で研鑽を積みます。帰国後は吉祥寺の「アテスウェイ」や「VIRON 渋谷店」「ラデュレ・ジャパン」などに勤務。そして2014年に「アディクト オ シュクル」をオープンしました。
甘い香りが漂う幸せ空間
店内はダークブラウンを基調とした落ち着いた雰囲気。間接照明の優しい光がショーケースを照らし高級感を演出しています。
「オーソドックスなフランスのお菓子をそのまま日本で」をコンセプトに、正統派のフランス菓子を展開している同店。季節にもよりますが、常時12〜13種類のケーキを用意しているそうです。
ケーキ以外にも、ショーケースの上には焼き菓子やパンが並んでいます。バターをたっぷり使った「マドレーヌ」をはじめ、バニラとラム酒が香るフランス・ボルドー地方の伝統菓子「カヌレ」など、思わず手を伸ばしたくなるものばかり。フランスの伝統を守りつつ、石井シェフ独自のエッセンス（食感・香り）を大切にして商品を作り上げているそうです。
今回はそんな同店こだわりスイーツの中から、僕が特におすすめしたい、とっておきの2品をご紹介します。
僕のスペシャリテ!!! 濃厚な味わいに甘酸っぱさをプラスしたショコラスイーツ
同店のスイーツはどれも絶品と評判ですが、一番におすすめするのは「ショコラフランボワーズ」584円！ ガナッシュ、ビスキュイ（ショコラとアーモンドを加えたスポンジ生地）、オード・ヴィー・ド・フランボワーズ（ラズベリー蒸留酒のシロップ）を交互に重ねた、僕の中では最強のショコラスイーツです。
ショコラとアーモンドを加えたビスキュイは、口どけの良いしっとりした食感が特徴。このビスキュイに濃厚なガナッシュが相性バツグンです。オード・ヴィー・ド・フランボワーズも甘酸っぱさがあり、風味も際立っています。表面のナパージュにはフランボワーズの種を加えているため、プチプチとした食感が良いアクセントに。小ぶりながらもずっしりとした重みがあり、満足感もしっかり。ガナッシュの濃厚な味わいと、フランボワーズの甘酸っぱさが絶妙に絡み合う「ショコラフランボワーズ」。一度食べると虜になること間違いなしです！
オレンジの風味が香るスペシャリテ「パリブレスト ノワゼット オランジュ」
オレンジのコンフィ、ヘーゼルナッツとアーモンドプラリネのクリーム、チョコとミルクチョコレートのフィヤンティーヌをサクサクのクッキーシューでサンドした同店のスペシャリテ。一般的なパリブレストはドーナツ形ですが、同店では食べやすいようにと、小ぶりのシューを繋げたエクレア形で販売しています。
シュー生地の香ばしさとプラリネクリームの濃厚な甘さが絶妙なバランス。そこにオレンジの爽やかな風味が加わり、口の中で至福のハーモニーを奏でます。フィヤンティーヌのザクザクとした食感もたまりません。一度でさまざまな味と食感が楽しめる同店のパリブレスト。訪れたらぜひ食べていただきたい逸品です。
自家製コンフィチュールや猫デザインのクッキー缶にも注目
生菓子の他にも、自家製コンフィチュールなどの販売もしています。コンフィチュールは「アプリコット グランマルニエ」「イチゴとフランボワーズ キルシュ風味」の2種類があり、どちらも723円。パンやクラッカーに塗ったり、料理やデザートに添えても良いですね！
そして、同店で大人気の「クッキー缶」2,268円。実は、缶に描かれている猫は石井シェフの愛猫なのだとか。中には、サクッと香ばしい「パルミエ」や、ほろ苦さがクセになる「サブレショコラ」など、フランス伝統の味を上品に仕上げた5種類の焼き菓子が入っています。どれもバターの濃厚な風味と香ばしさが特徴で、一口食べるだけで幸せ気分に浸れるほど。スイーツ好きはもちろん、猫好きの人へのプレゼントにも喜ばれそうです。
人材育成にも力を入れていきたい
「パティシエになるには厳しい時期がありますが、それを乗り越えると人生が豊かになると思います。ハードな仕事なので離職率も高いですが、なるべく続けてもらって仕事の楽しさを知ってもらいたいです。お店のためだけではなく、パティシエとしての資質を上げていけばおいしいお菓子もどんどん作れますし、その努力はお客様にも伝わると思うんです。若い子たちには、クリーム一つにしてもおいしさを突き詰めてほしいです！ 今後はそのお手伝いができればと思っています」。最後にそう話してくれた石井シェフ。その思いはパティシエを目指す若い世代にきっと届いているはずです。
フランスの伝統を守りながらお菓子を作る「Addict au Sucre」。今後も注目していきたいお店です。
※価格はすべて税込
＜店舗情報＞
◆アディクト オ シュクル
住所 : 東京都目黒区八雲1-10-6
TEL : 03-6421-1049
受賞・選出歴 :
文：はなとも、食べログマガジン編集部 撮影：ジェイムス・オザワ
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