本、ポスター、パッケージ、映像作品、Webなど、魅力的な最新のデザインを毎週ダイジェストでお届け。今回は、を紹介します。目次書籍カバー
伊藤潤二『不気味の穴 恐怖が生まれ出るところ』●Designer:吉岡秀典[セプテンバーカウボーイ]
2023
朝日新聞出版「富江」「うずまき」など、美しくも怪奇な作品で世界を魅了し続けるホラー漫画界の鬼才、伊藤潤二。画業 35周年を迎え、ストーリーやキャラクターなど、独特の世界観を作り出す方法を初めて明かした一冊『不気味の穴 恐怖が生まれ出るところ』が発売された。書籍カバーには、美少女の富江を大胆に配置しながら、無数に開いた穴、青と緑を基調とした色使いなどが相まって、不穏な雰囲気を醸し出すアートワークに。デザインは、セプテンバーカウボーイの吉岡秀典によるもの。デザインを担当した吉岡秀典さんからのコメント伊藤潤二さんの作品を考えたときに、まず頭に浮かんだのは「美しい女性がにこやかにどこかを指差しているのですが、その腕には小さな無数の穴が空いている」というシーンでした。美しい人間がとんでもない状態に変化していく様は、伊藤潤二作の根幹だと思うし、今回の本の入り口として、最も適しているんじゃないかなと感じました。伊藤さんの全作品から、美しさ、不気味さ、変化していく様などの際立った ところを何百カットとスキャンしていき、その中から最高峰の美しさと、最高峰の不気味さを絞っていきました。最高に美しい表情が見つかった段階で、今回の外回りの仕事はほぼ完成したも同然、あとはその美しい顔に穴を開けたり、顔の下側部分(オビの下側に)に、美しい顔と最もかけ離れた不気味な絵を配置していくだけです。素材集めにすごく時間がかかってしまったので、編集さんたちには最後までハラハラさせてしまいましたが、めちゃくちゃ楽しいお仕事でした。商品パッケージ
『ミンティア クリームソーダ』『ミンティア プリン』●Marketer:西夏実[アサヒグループ食品]
2023
アサヒグループ食品ミントタブレットの「MINTIA(ミンティア)」から、ニューレトロをテーマにした新商品が仲間入り。『ミンティア クリームソーダ』はメロンソーダ味のタブレットにバニラアイス風味のキャンディチップを、『ミンティア プリン』は卵の風味が香るプリン味のタブレットにほろ苦いカラメルソースをイメージしたキャンディチップを配合。ラベルにはドットやストライプ柄をあしらい、フレーバーと同様に、昔懐かしい喫茶店のメニューを想起させつつもどこか新しさを感じさせるデザインだ。また、外装フィルムによって、イラストが浮かび上がる工夫も施されている。商品開発を担当した、アサヒグループ食品・西夏実さんからのコメントこの商品は、レトロな喫茶店の人気メニューをイメージして商品化しました。若年層を中心にレトロカルチャーブームが続いており、体験したことがなくても、懐かしさを感じるものに 「昔っぽい雰囲気が良い」と感じる風潮が高まっていることから、若年層のリフレッシュシーンに向けた ニューレトロをテーマにした商品を開発しました。パッケージデザインは、「クリームソーダ」はドット柄、「プリン」はストライプ柄をあしらったシンプルでレトロなラベルデザインです。外装フィルムに透明部分を設けることで、容器ラベルに印刷されたイラストが浮かび上がる遊び心ある仕様にしています。