家族・自分・これから…親子の確執を綴つづった著書『母』が話題を呼んだ青木さやかさんが、母親問題の作品を多く手がける漫画家・田房永子さんと初の対談。家族だけでなく、体や心、人間関係など、変化の大きな40代をどう乗り越えるか…ポジティブに向き合うヒントをもらいました。

青木さやかさん×田房永子さんスペシャル対談

タレントと漫画家、異業種で働きながら生きる2人の考え方が、自分らしく生きるヒントになるかもしれません。

●失敗が怖くなくなって前向きな挑戦ができる

田房永子さん(以下、田房):この年齢だからこそチャレンジすることが大事だなと思うんです。青木さんのエッセイ『厄介なオンナ』(大和書房刊)のなかで、女性芸人のコンテスト「THE W」に挑戦すると決意して仕事仲間の方に相談する場面がありますよね。そこで言われた「今の青木さんができる等身大のネタが絶対あるはず。それが世間とズレていても、青木さん本人とズレてなければいい」という言葉がものすごく沁みて、心に刻みました。

青木さやかさん(以下、青木):そんなにですか!?(笑)

田房:それが40代・50代のやるべきことだなと思いました。20代・30代は世間とズレないように努力してきて、それはある程度できるようになった。じゃあこれから先はなにをするのかといったら、これまでは世間に合わせていた部分を今度は自分に合わせて、本当にやりたいことを全開で出していいんじゃないか。

私自身、去年から仕事の面で「なにか新しいことに挑戦しなきゃ」と考えて取り組んでいたので、共感したし励まされました。

青木:それはうれしいです。30代は新しいことに挑戦しようと思っても、以前の成功体験があるから「失敗したら恥ずかしい」と思ってしまうんですよね。

でも年を重ねると、失敗してもちょっとおもしろい感じになってくる気がするんです。だからもっと早く年を取りたいなと思っています。

田房:わかります。私は最近、「絵を描くのが好きだ」とあらためて認識したんです。本当はそこをきわめたいのに、自信がないから逃げてきたなって。いろんな仕事をやってきたけれど、結局ずっとやりたかったのはそこなんですね。それに気がついたので、これから挑戦しようと思っています。

●いろんなことに整理がついてラクになっていくんだろうと感じている

青木:それでいうと、私は今、仕事のときの自分と普段の自分をフラットにしようと思ってチャレンジしてるんですね。普段は全然しゃべらなくてカメラの前だとバーッとしゃべるタイプだったんですが、それぞれ沈みすぎず、がんばりすぎないようにすることでギャップを埋めたいなと思って。その方が疲れないし、健康にお仕事を続けていけそうじゃないですか。きっとこれからどんどんいろんなことに整理がついてラクになっていくんだろうなと感じています。だからこそ、努力やチャレンジは続けていきたいですね。

田房:どんな職業でも立場でも、前向きになにかにチャレンジする姿勢をいつももっていたいですよね。