日本の6割の夫婦が陥ると言われるセックスレス。「どうしても夫と同じお墓に入るなんて耐えられなかったんです」と語る博美さん(仮名・44歳)を取材。前回は、産後の妻に「女として見ることができない」と言い放ち、こっそり風俗店を利用していた夫のお話でした。その後も夫の気持ちの悪い素行が次々と明らかになっていきます。

夫は風俗嬢と隠れてメール。家出した妻を癒したのは…

「ごめん、生理だから、その日はお店休みにしているんだ」というメールが夫の携帯に届き、思わぬ形で夫の風俗通いを知ることになってしまった私。とっさに居眠りしていた本人を起こして直接「どういうことなの?」とつめ寄りました。

●夫と離れてみてわかったショックの深さ

すると夫は「会社の先輩が飲み屋の女性にハマっていて、どうしてもって頼まれて出勤日を確認するように頼まれた。風俗じゃない。普通の飲み屋だ」と主張。

私は、「普通の飲み屋の女性は生理だから休むとか言わないよ」とツッコミを入れたのですが、夫は頑として風俗だとは認めず。話し合いは平行線をたどりました。

でも私は夫と同じ空間にいるのが気持ち悪すぎて、その日のうちに赤ちゃんを連れて家を飛び出し、いちばん上の姉の嫁ぎ先に身を寄せることにしたのです。

●風光明媚な大自然。夫と距離を置いてわかったこと

姉夫婦は、急に訪ねた私たちを暖かく迎え入れてくれました。姉夫婦の家は、近くの川でホタルが見えるほど、とても自然豊かな場所。普通に炊いただけのご飯も、空気や水が澄んでいるおかげなのかすごくおいしく感じました。私は窮屈な実家での暮らしと夫への気持ち悪さで、これまで食事がろくにのどを通っていなかったのだと気づきました。

知らず知らずのうちにたまっていたストレス。姉のこしらえる料理と自然豊かな環境に心が癒されました。男の人だから少なからずそういうことは目をつぶらなければとは思いましたが、セックスレスで悩んでいた私にとって、風俗通いはとてもショックな出来事。親も理解してくれなかった私の気持ちを、姉だけは受け止めてくれました。

もちろん、産後で気持ちが不安定だったこともあったとは思います。純粋無垢な赤ちゃんに触ってほしくないという気持ちも。夫と物理的に距離を置いたことで悩みが明確になり、身も心も疲れ果てていたことを自覚できたのです。
そして姉の家には小学生になるお子さんたちもいて、赤ちゃんのお世話もみんなで協力して助けてくれて、本当にありがたいなと思いました。

●猛省する夫「俺は生まれ変わる」と宣言

夫は私たちが出て行ってすぐに近所の私の実家へ行き、両親へ事情を説明。「誤解とはいえ、こういうことが今後は起きないように大切にします。許してほしい、戻ってきてほしい」と私の親に懇願したそうです。

もともと私の親は「どんなに相手が悪くても、我慢できない私のほうが悪い」というスタンスだったこともあり、すぐに電話がかかってきて、家に戻るように怒られてしまいました。
一週間ほどの短い家出。迎えに来た夫は、姉夫婦の前で私に「俺はこれを機に生まれ変わる」と宣言。しかし、すぐに戻ったことを後悔する事態に見舞われてしまいました。

風俗通いの証拠がゾロゾロ。ひとりで処理する夫

家に戻ってからは、もうあのメールのことは記憶から消し去って、夫の言う「風俗ではない普通の飲み屋だった」ということにしてやり直そうと思いながら生活していました。

そんななか、そろそろ衣替えをしなきゃな〜と思って、夫のタンスを整理していたところ、夏物のTシャツにくるまれたエッチな本が…。

「いい年して、まだこういうのも読むんだ」と思ってパッと開いたページ。そこでは風俗の特集をしていたのですが、ページの角についていた割引券が切り取られていたのです。「やっぱりそういうお店に通っていたんじゃん」と、裏切られた気持ちになりました。

●隠す・嘘つく・言い訳する

その後も夫のゴルフバッグのなかからはピンクサロンの会員券、ポケットからは個室ビデオのポイントカード、そして夫の机のそばにはエッチな本や自分でダビングしたと思われるビデオテープ、気づけばいろいろなものが目に入りました。

隠して、嘘をついて、言い訳しての繰り返し。もう問いつめる気にもなれません。
ただ、私に対して「女として見られない」と言い放ち、レスの状態で、こういうところで処理しているのかと思うとむなしさだけがこみ上げてきたのです。
このままレスの夫婦関係を続けていては根本解決にはなりません。なんとかしないと…と思い悩みながら、なにも知らない親族から「跡継ぎ」の問題が出たお話を、次回したいと思います。