日本では6割の夫婦が陥ると言われるセックスレス。愛を誓い合って結婚したのに、「どうしても夫と同じお墓に入るなんて耐えられなかったんです」と語るのは博美さん(仮名・40代)。セックスレスを通り越して、夫にそこまでの嫌悪感を抱くまでになった原因とは…? じっくり取材してお話を伺いました。

夫が気持ち悪い。産後レスに陥った妻がどうしても許せなかったこと

静岡の片田舎に住んでいた夫と結婚したのは、私が23歳のときでした。新婚生活は、自営業をしていた夫の会社の敷地内に新たに建ててもらった平屋でスタート。私の実家までは車で30分くらいの場所です。四姉妹の末っ子なのですが、姉たち全員が遠くへ嫁いでしまったこともあり、なるべく近くにいてほしいと願っていた両親も大喜び。

会社のすぐ隣に本宅を構える義理の両親もとても優しい人たちで、娘が生まれてからも手厚くサポートをしてもらい、はたから見れば円満な暮らしをしていました。

●結婚前からセックスが好きではなかった夫

夫はもともとセックスを「汚らわしい行為」だと思っていたようで、そんなにガツガツ迫ってくるほうではありませんでした。

出産のときも、私は立ち合いを希望していたのに、「血を見るとか無理だから。立ち合いなんてとんでもない!」と言われてあえなく断念。それでも生まれてきた娘のことはとてもかわいがってくれるよき父親ではありました。

しかし、私に対しては、「出産したら、博美のことは母親としてしか見られなくなった。セックスする対象ではなくなった」とハッキリ断言されてしまったのです。すごくショックでした。

●産後のお里帰り。サプライズで家に戻ると…

そんななか、私は産後の体の回復具合が優れず、1か月くらい実家に戻って、私の母親にサポートしてもらうことになりました。私の両親は厳しく、とくに母親は子育てや生活のことまであれこれと細かく口出ししてくるので、お里帰りといってもあまり気持ちは休まりませんでした。

こんなことなら、夫がいる家のほうがラクだったな…と思っていた頃。父と母から「今日は仕事がないし、孫のお世話を二人でできるから、博美はたまには家に帰って旦那さんにごはんでもつくってあげなさいよ」と言って送り出され、サプライズで夫の待つ家に戻ることに。
仕事から帰ってきて、大好きなハンバーグがあったら喜ぶかなぁとウキウキしながら買い物袋をぶら下げて、家に入ったところ…。

●荒れ放題の家のなかで妻が見た衝撃の光景

久しぶりのわが家は、荒れ放題。大きなゴミ袋がドーンと玄関に3つ。洗濯物はたまりっぱなしで、テーブルのうえには郵便物がごっそりと置かれたまま。幸い、食事は義理の両親と本宅で食べていたようで、生ゴミが少なかったことだけはホッとしました。
そしてリビングへ行ってみると、TVの前にはVHSの機材が2台並んでいて、エッチなビデオが何本も…。気持ち悪い。ドン引きしました。そこで、自分で処理をしたり、借りてきたビデオをダビングしたりしていた様子でした。

まさか私が帰って来るとは思わず、作業をそのままにして出勤していた夫。私は買い物袋を持って、そのまま実家にトンボ帰りすることにしました。ところが…。

●「お前が悪い」と実の親に怒られて…

実家に帰って親に事情を話したのですが「こうやって自由に帰らせてもらってて、わがまま言ってんじゃないよ。ビデオくらい我慢しなさい」とまくしたてられてしまったのです。
実の親なのに、傷ついた私に寄り添ってくれることはありませんでした。なので、このときは見なかったことにして、何事もなかったかのようにスルーすることに。
しかし、それほど日を置かず、さらに衝撃的な出来事が起きてしまいます。

●「生理だから、その日は休みなんだ」

後日、夫にきちんと連絡を入れたうえで、赤ちゃんと帰宅。家の中は何事もなかったかのようにきれいに掃除もされていました。あの日のことは、記憶から消し去ろう! そう思っていた矢先に、夫の携帯電話にとんでもないメッセージが届いたのです。

「ごめん、生理だから、その日はお店休みにしているんだ」

夫がソファで居眠りしているときでした。リビングのテーブルに置いてあった携帯の通知音が鳴り、つい見てしまったのです。衝撃の内容に思わず全身がフリーズしました。

当の夫は夢の中。見てはいけないのはわかっていましたが、こんな決定的なメッセージを見てしまったら調べずにはいられません。メッセージのやり取りをさかのぼり、夫が風俗店に通っていて、お気に入りの女性に直接、毎回シフトの予定を確認していたことがわかりました。

赤ちゃんが生まれたばかりで私とはレスなのに、ほかの女性を触っていると思ったら吐き気がしてきました。実家の親に泣きついたところでまた「我慢しろ」と言われてしまいそう。私は、夫を問いつめることにしました。そのお話はまた次回。