目の前の家計のことで頭がいっぱいで、将来必要な老後資金まで手が回らない…そう漠然と不安を感じている人は多いのでは? そこで、マネープランを立てていくら不足するかを知ることが大切になります。ここでは、ファイナンシャルプランナー・畠中雅子さんに教えてもらいました。

老後のマネープランを考えよう

会社員や公務員などは国民年金+厚生年金、自営業や専業主婦などは国民年金がもらえます。

下の平均受給額を目安に、老後の収入の目安をイメージしてみましょう。

<ねんきん定期便とねんきんネットでさらに詳しく!>

誕生日が近くなると毎年届く「ねんきん定期便」や、日本年金機構のインターネットサービス「ねんきんネット」で、よりリアルな年金の見込額をチェックできます。

●年金ではたりないお金を把握

老後資金は年間の赤字額を基に考えます。月々の生活費の赤字が2万円の場合、年間赤字額は24万円。65歳まで働き、95歳まで生きると仮定すると30年間で720万円の補填が必要です。加えて特別支出が1000万円必要となると、用意したい老後資金は1720万円。

「老後資金を考える際は長生きリスクを考慮し、余命は長めに設定を」(畠中さん)

・たりないお金の目安の計算式

生活費の不足分×30年+特別支出

年金暮らしの現実<YouYouおじさんの場合>

家計の変化や節約の工夫、年金暮らしをYouTubeで明るく発信しているYouYouおじさん。年金暮らしの現実を聞きました。

●1年目の赤字は250万円!月17万円生活を目指して節約してます

40年ほど勤め上げた会社を“そろそろのんびりしたい”と、62歳で退職したYouYouおじさん。当時の貯蓄は1500万円。がんばってきた自分へのごほうびにと、かねてより夢だったキャンピングカー(500万円)も購入し、悠々自適の老後が始まるはずでしたが…。

「現役時代と同じ生活をしていたら、月の支出が35万円程度かかり、1年目の赤字は250万円に! 貯蓄がみるみる減りました。このままでは老後破産すると気づき、家計簿をつけ始めたんです」

目標は月の年金額・17万円以内で生活すること。外食を控え、家庭菜園で野菜づくりに励む日々。旅行はホテルに泊まらず、キャンピングカーで車中泊を楽しむ。光熱費節約のため、エアコンはなるべくつけず湯たんぽを活用する。

「楽しみながら節約できていますが、妻にはうるさがられることもあります」と苦笑い。しかし、努力のかいあって年間158万円のコストダウンに成功。

「最近は、月の赤字が3万円ほどになり、年金だけでも生活できる手応えが得られました」と語ります。

「もっとムダを減らして、妻が好きなミュージカルを観に行ける予算を捻出してあげたいですね!」

【YouYouおじさん家計DATA】

年金額(夫婦合わせて):月額17万円
退職時の貯蓄:1493万円
現在の貯蓄:915万円
→約2年で578万円減!