新型コロナウイルスの感染者が栃木県内で初めて確認されてから丸３年を迎えようとする中、死者の累計は千人が目前となっています。特に感染拡大の第８波では亡くなった人のうち７０歳以上の高齢者の割合が多く福祉の現場では厳戒態勢が続いています。

　宇都宮市白沢町の介護老人保健施設「しらさぎ荘」でも、これまでと変わらず、緊張感をもった対策が続けられています。利用者と接するスタッフは全員がマスクとフェースシールドを着用、手指消毒用の消毒液を常に携帯しています。

　感染拡大の第８波が始まった２０２２年１１月から今年１月までの３カ月間で県内で亡くなった人は、死亡日ベースで４５８人とこれまでの累計の半分ほどを占め、このうち７０歳以上は９１％でした。また、同じ期間でクラスターは発表日を基本として３１２件発生、７割ほどが高齢者施設となっています。

　この施設でもこれまでにクラスターが３回発生、その経験を基に感染者が発生した場合の患者の隔離のほか徹底したゾーニングを行うなど対策を改善してきました。

　コロナ禍になって３年、感染者数は減少に転じていますが福祉現場の負担は減ったとは言えず、命を守るために関係者は気を引き締め直しています。