第二次世界大戦末期、長期の地上戦が行われた沖縄県で多くの人の命を救った宇都宮市出身の警察部長・荒井退造（あらいたいぞう）の母校が３日、創立１４４年を迎え、その記念に荒井の功績を描いた映画の上映会が開かれました。

　映画「島守の塔」の上映会が行われたのは荒井退造の母校・宇都宮高校です。会場となった講堂には２年生およそ２８０人が集まりました。

　この作品は宇都宮市出身で太平洋戦争当時、沖縄県警察部長だった荒井と当時の沖縄県知事・島田叡（しまだあきら）の２人の主人公が戦場で県民の命を必死に守ろうとする姿を描いたものです。国の登録有形文化財に指定されている宇都宮高校の旧本館でも撮影が行われ、２０２２年７月からこれまでに全国３６都道府県、５６の映画館で上映されています。

　「ロシアによるウクライナ侵攻が続く中１人でも多くの人に戦争の悲惨さ、命の尊さ、平和の大切さを考えてもらいたい」と劇場以外のホールや学校などでも上映を行うことになり高校のＯＢが社長を務める地元の会社の協力により全国で初めて実現したということです。生徒たちは改めて戦争の悲惨さや学校の先輩である郷土の偉人の勇姿を目に焼き付けていました。

　劇場ではない場所での上映は宇都宮高校を皮切りに今後も全国各地で行われます。