ブラウザの標準対応を評価するベンチマーク「Interop」の新版「Interop 2023」が公開された。

Interopは、Apple、Google、Mozilla、Microsoftなど主要Webブラウザベンダーと、Bocoup(Web技術関連のコンサルタント企業)、Igalia(オープンソースソフトウェアのコンサルタント企業)による共同プロジェクトから誕生した。昨年3月、Webブラウザの相互運用性の改善を目指してCompat 2021を発展させた「Interop 2022」をリリースした。

Interop 2022では、「カスケードレイヤ」「色空間と関数」「CSSコンテインメント」「フォームコントロール」「スクロール」「タイポグラフィとエンコーディング」といったWeb技術の進展と相互運用性に重要な15項目のフォーカス分野が設定されており、ダッシュボードでブラウザエンジンごとの各分野のクリア率と総合スコアを確認できる。

Interop 2023のダッシュボード

Interop 2023では、Web開発者や他のブラウザベンダー、企業などが求める改善が反映されるように提案を公募し、そのプロセスを公開した。最終的に87件の提案から35件が採用され、18の新しいフォーカス分野と2つの新しい調査対象(Investigations)に統合された。さらに2022年から引き継がれた5つのフォーカス分野と2021年(Compat 2021)から引き継がれた3つのフォーカス分野を合わせて、Interop 2023は「コンテナ・クエリ」「:has()」「Webコンポーネント」「オフスクリーンCanvas」「Webコーデック」などを含む合計26のフォーカス分野で構成されている。CSSだけでなく、JavaScriptやWeb APIの機能も含まれるようになった。

調査対象は、相互運用性の不足が明らかであるものの、既存のテストを満たすだけでは進展しない分野だ。例えば、十分な仕様やテストがないままリリースされたプラットフォームのレガシーパーツや、テストインフラがないためにテストが困難な分野などが当てはまる。

各ブラウザエンジンのクリア率とスコアのほか、全てのブラウザで機能が確実に動作する相互運用性の指標として、Interop 2023およびInterop 2022に「Interop」スコアが用意された。全てのエンジンがテストをパスしたクリア率と総合スコアを確認できる。