蕎麦、うなぎ、和牛、松江市で島根が誇る絶品グルメを食べ尽くす
行ってよかったなァ〜島根県。しつこいようだがホントに、よ・か・っ・た。
酒はうまいし、料理も乙! その良さを『おと週Web』の読者のみなさまにもぜひお伝えしたい、と島根での旅をお伝えしておりますその第2弾! 前回の酒の魅力に続きまして今回は、『おとなの週末』本丸であります、ズバリ“食”!
歴史ある出雲そばを堪能するなら「割子そば」
あの〜、島根がなかなかイメージできない方もいるかもしれませんが、そのような方でも、島根が誇るあの名所旧跡の名前を挙げれば「あ〜そういうとこか!」とご理解いただけるでしょう。その名所旧跡こそが……「出雲大社」!
日本海に面した島根県。一番東側に県庁所在地である松江市がありまして、そのすぐ西隣が、いわゆる出雲地方なんですね。
島根のイメージが沸かない方は、「あ〜島根って出雲大社のあるとこか」と、まずはご理解いただきたい。そういう歴史のある場所だと知っていただきたい。
で! 何故こんなことを書いたかといいますと、出雲と聞けば、ある食べ物を思い出すでしょ? って話ですよ。
そうです。「出雲そば」です!
その歴史は、江戸時代初期、松平直政公が信州・松本藩から所替で松江藩初代藩主となった時に、そば職人も帯同させたことにはじまるそうでございます。そんな出雲そばをいただいたのが『献上そば 羽根屋 伝承館店』。
出雲そばといえば、冷たいそばと、それぞれ異なった薬味が入った小さな御碗が三段重ねになっていて、上から順番に食べていく「割子そば」がなんといってもポピュラー!
実をいうと、このお店にきて「釜揚げそば」という、茹で湯ごと丼にそばを盛り、そこにツユをかけて食べる食べ方もあることを知りまして、「うわ〜それも気になる!」と琴線触れまくりだったのですが、ポピュラーを押さえさせていただきました。
出雲そばの特徴といえば、なんといっても殻ごと挽いた“挽きぐるみ”のそば粉による野趣溢れる力強い風味とコシ。そこにツユを気取ることなくジャボジャポとかけ、ズズッ〜なんてダイナミックにたぐる!
1段目を食べ終わったら、お碗に残ったツユを2段目にかけて、それをまたズズ〜ッ! たまらぬ食の躍動感、そして鼻から抜ける蕎麦の香り。
ありがとう、松平直政公!
■『献上そば 羽根屋 伝承館店』
[住所]島根県出雲市浜町520
[電話番号]0853-25-0312
[営業時間]11時〜14時半
[休み]月、年末年始
https://kenjosoba-haneya.com/densho_kan
『羽根屋』で出合った、地元民愛食メニュー
出雲そば、島根に来たら必食なのはまちがいないのですが、『献上そば 羽根屋 伝承館店』で、もう一品、島根で必食の食べ物を見つけてしまいました。
小鉢に入っていた大きめのちくわ。やけに旨くて、地元の人に聞けば、ちくわと呼ばずに『あご野焼き』って言うそうなんですよ。
アゴ……ようするにトビウオを原材料とした練り物でして、『献上そば 羽根屋 伝承館店』で食べた時は、食べてから「旨っ!」って思ったんで、アップで写真を撮ってなかったんですが、島根で泊まった旅館の朝食のビュッフェにあったんで写真を撮らせていただきました。
ちなみに写真左の赤めの練り物が、こちらも島根を代表する練り物『赤天』。赤天は前から知ってて大好きだったんですが、島根にはこんなふたつも激旨練り物があったとは! ワタシは島根が誇る練り物界の『ゴジラVSキングコング』だと呼ぶことにしました。
このあご野焼き。写真のような輪切りも充分おいしいですが、地元情報では、豪快に乱切りして食べるのがオススメだそうです。
歴史が証明! 島根のうなぎは旨い!!
さて。島根には「宍道湖七珍」という宍道湖の7つの名産がありますが、そこにも入っているのがうなぎ。関東風とは違う、蒸さずにジックリ焼き上げる、よく“関西風”とも呼ばれる“地焼き”という調理法は、なんと、出雲地方から上方に伝わったそうでして、つまり歴史的にも島根県はうなぎが旨いのである。
そんな島根のうなぎの旨い店のトップランナーが『山美世(やまみせ)』だ。
この店のある大根島は、約20万年前の噴火活動で生まれた火山島で、ビタミンやミネラルを多く含んだ熔岩水という地下水が流れているそうなんですよ。その地下水でさばく前のうなぎを数日間畜養……ようするに泥抜きする。だから旨い!!
さらに創業の大正3年から改良を重ね続けたタレ。これはもう長い時間をかけることでしか作りだせない、味わいの結晶ですよ。そのうなぎがコチラ!!
ひと口食べれば「オオォ〜うなぎィィィ!」と叫びたくなるようなうなぎの凝縮された滋養感! そして口の中を、熟成された角はないのにエッジがわかる抜群のタレとうなぎならではのまろやか脂が駆け巡り、それを追いかけるように、これまた旨い白米が甘みがやってきて、唇の先からもう食道の切っ先あたりまで、食べ物を関知する官能器官のすべてをうなぎ天国へとたたき込む!
ここで一部読者のみなさん。お重の大きさに比べて「うなぎが小さくない?」なんて思っている方もいらっしゃるかもしれません。ご安心ください。
なんとご飯の間にもう1枚、うなぎが隠し蒸されるかのように鎮座されているのだった!
お碗はこれも「宍道湖七珍」に入っておりますジジミを使ったシジミ汁。ただただ「たまらん」圧倒される満足感でした『山美世』。
■『うなぎ処 山美世(やまみせ)』
[住所]島根県松江市八束町江島1128-10
[電話番号]0852-76-3198
[営業時間]11時〜15時(14時半までの来店・LO)
[休み]1月1日〜7日、11月16日
https://yamamise.com
『山美世』の前に話題のビューポイントあり!
ここで『山見世』の近隣情報! この店のすぐ近くというよりも、お店の前に話題のベストビューポイントがある。CMで話題になった急坂すぎる橋“ベタ踏み坂”こと「江島大橋」だ。
和牛オリンピック1位に輝いた島根の黒毛和牛を松江城の堀端で食す
蕎麦そしてうなぎときたら、肉もいきたくなりますよね。実は島根県は牛の生産も素晴らしい実績を挙げている県。「和牛のオリンピック」と呼ばれる「全国和牛能力共進会」。その令和4年大会の肉質を審査する部門で第1位に輝いたのが島根県産の黒毛和牛。
そんな島根の黒毛和牛を大正浪漫風ノスタルジー漂う店内でいただけるのが『ろんぢん 松江本店』。
四の五のいわずにもう昼にいただきました、島根県産の黒毛和牛のしゃぶしゃぶを見ていただきたい!
写真素人のワタシが撮ったにも関わらず、この細かく入ったサシの見事さ! もうこのまんまかぶりつきたくなるような「喰ってくれ希求度」!
これをフツフツと軽く泡立つ鍋でレアにシャブシャブいたしまして口に運んだ時の至福感! いい肉を食べた時のよくある表現で、肉が口の中で「溶けた」なんて言いますが、もはや肉どころか、自分のアゴの骨すら溶けたかと思うほどの、おいしく顎が落ちたの最上級感覚。
こちらの『ろんぢん』。そのロケーションは、全国に12しか残っていない現存天守を要する松江城のお堀端。その質実剛健な戦国の雰囲気も残る城郭を、島根県産和牛で身も心も満足した後に見れば、もう島根旅行での満足度は200%!
島根県。とにかく行けば、誰もがその舌、そして胃袋、満たされ虜になること確実!!
■『ろんぢん 松江本店』
[住所]島根県松江市殿町267
[電話番号]0852-22-3618
[営業時間]11時〜15時(14時半LO)、17時〜21時(20時半LO)
[休み]不定休
https://www.ronjin.co.jp
※価格は2023年1月現在のものです。
取材・撮影/カーツさとう