１月２６日の「文化財防火デー」を前に伝統的な建造物が並ぶ栃木市嘉右衛門町で２２日、地元の消防団や自主防災会による防災訓練が行われました。

　訓練は栃木市嘉右衛門町にある歴史と観光の拠点施設、ガイダンスセンターから火が出た想定で行われました。近隣の住民から通報を受けて駆けつけた消防士や消防団員たちが消火活動に当たります。嘉右衛門町や泉町など旧日光例幣使街道に沿った、この地区の街並みは見世蔵や土蔵をはじめとする江戸末期から昭和前期頃にかけての伝統的な建造物が群として残っていることから２０１２年に国が保存地区として選定しました。

　この訓練は保存地区の建造物を火災から守ろうと栃木市が文化財防火デーに合わせて開いているもので今年は新型コロナウイルスの影響で３年ぶりの開催になりました。この地区には伝統的な建造物が１００軒ほどあることから火が広がらないようにするために地域の人たちによる初期消火の訓練も行われました。

　２０日には埼玉県川越市で市の指定有形文化財に登録されている建物が全焼する火事がありました。栃木市は代々受け継がれてきた嘉右衛門町伝建地区を守るためにも地域住民とともに防火に努めたいとしています。