栃木県内二つの特別支援学校の子どもたちが親元を離れて共同生活を送る寄宿舎を県教育委員会が来年3月末をもって閉舎を決めたものの、一部の保護者などが反対している問題で、県教育委員会は2日、説明が不十分だったとして閉舎の延期を決めました。

2日から始まった県議会通常会議の質問戦で、県教育委員会の阿久澤真理教育長が明らかにしました。この問題は那須塩原市にある那須特別支援学校と栃木市にある栃木特別支援学校の寄宿舎について、県教育委員会が設置から40年以上経ったことによる施設の老朽化と遠距離で通学が難しい児童生徒の減少を理由に、今年度限りでの廃止を決めていたものです。

これに対し、両方の学校の一部の保護者らは計画の停止と存続を求めて集めたそれぞれ約2万人と2万5千人の署名と陳情書を県教育委員会や県議会に提出。11月24日には県議会の文教警察委員会が両校の保護者や学校関係者から意見を聞いていました。委員会では県教育委員会に閉舎のスケジュールを見直すよう求めました。

県議会の傍聴席には那須特別支援学校の保護者らの姿があり、論戦の行方を見守りました。この問題に関する阿久澤教育長への質問は2人の議員からあり、合わせて15回もの再質問が行われるほど議論に時間が割かれました。

県教育委員会は寄宿舎の閉舎後はスクールバスを増やして通学を確保したり、生活訓練のカリキュラムを充実させたりして対応する方針を示しています。

阿久澤教育長は今後、関係者らの意見を聞きながら寄宿舎の在り方も含めて検討していくとしたものの、閉舎するという方針は崩しませんでした。