世界中のデータセンターで約23万台のHDDとSDDを監視しているBackblazeが、2022年第3四半期(7月〜9月)時点で管理しているおよそ22万台のHDDの故障率について報告をまとめています。

Backblaze Drive Stats for Q3 2022

https://www.backblaze.com/blog/backblaze-drive-stats-for-q3-2022/

2022年第3四半期にデータ保存に使用された22万6697台のHDDのうち、テスト目的で使われているものなどを除き、分析対象となったのは22万6309台。その内訳が以下の表で、「MFG」はHDDのメーカー、「Model」がモデル名、「Drive Size」が容量、「Drive Count」は運用台数、「Avg.Age」は平均寿命月数、「Drive Days」は累計稼働日数、「Drive Failures」が故障台数、「AFR」が故障率となっています。



2022年第3四半期では、HGSTの8GBモデル・HUH728080ALE604、Seagateの8GBモデル・ST8000NM000A、Western Digitalの16TBモデル・WUH721816ALE6L0で故障率がゼロだったとのこと。特にHUH728080ALE604については、2四半期連続で故障がゼロでした。また、Seagateの8TBモデル・ST8000NM000Aと16GBモデル・ST16000NM002Jは新しく導入したもので、どちらもまだ十分にデータが取れていないそうです。

2022年第3四半期全体の故障率は1.64%で、第2四半期の1.46%や前年同期の1.10%から増加しています。これはドライブ全体の老朽化に関連しており、2023年は古いHDDが引退し交換されるため、故障率は下がると予想されます。特に、Seagateの4TBモデル・ST4000DM000、6TBモデル・ST6000DX000、東芝の4TBモデル・MD04ABA400Vは2022年第2四半期(4月〜6月)から故障率が増加しており、HDDに寿命が訪れつつあるとのこと。スピンドルやアクチュエーター、ディスク本体が7年以上の稼働で摩耗しているのではないかとBackblazeは予想しています。

Backblazeが2017年から2022年までの第3四半期におけるHDDのメーカー採用率をグラフに表わしたものが以下。青がHGST、緑がSeagate、紫が東芝、赤がWestern Digitalです。HGST製HDDの割合はおおむね横ばいとなっていますが、圧倒的なシェアを誇っていたSeagate製HDDの割合は少しずつ減り、その代わりに東芝製HDDとWestern Digital製HDDが増えていることがわかります。



さらに2013年4月から2022年9月までの生涯故障率をまとめた表が以下。HDD全体の生涯故障率は1.41%で、同年第2四半期の1.39%からやや増加していますが、前年同期の1.45%よりは低くなっています。Confidence Intervalはデータの信頼度を表わしており、Low(下限)とHigh(上限)の差が1%以上の場合は十分なデータがないか、データによる予測が難しいとのこと。



信頼度の上限と下限の差が1%を切るモデルだけをまとめた表が以下。Backblazeは「これらのモデルが、今まで私たちの環境で確かな信頼性を示してきたHDDです」と述べています。



なお、同じストレージ容量でより高価で故障率が高いHDDをなぜ買い続けるのかについて、Backblazeは「Backblazeのクラウドストレージ・Backblaze Vaultのアーキテクチャは、ドライブの故障を想定して設計されているから」、「HDDの統計などのデータを研究することで、コストとHDDの故障の関係を学ぶため」という2つの理由を挙げています。