動物病院へ向かう安楽死直前の犬(画像は『Rachel march 2022年9月28日付TikTok「Update: Officially RIP Bowie bb」』のスクリーンショット)

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自分の死期を悟ったペットは、愛情をいっぱい注いでくれた飼い主に「逝く時が来たよ。今までありがとう」と伝えることはあるのだろうか。このほど安楽死前の飼い犬が家族に最後のハグをする様子が捉えられ、多くの人の涙を誘っている。『The Mirror』が伝えた。

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豪シドニーに住む元動物看護師のレイチェル・マーチさん(Rachel March)が先月28日、TikTokに投稿した動画が多くの人の心を揺さぶり拡散している。

動画は12歳半のオスでスパニエル犬種の“ボウイ(Bowie)”を安楽死させるため、車で動物病院へ向かう様子を捉えたもので、レイチェルさんの胸に顔をうずめるボウイが映し出される。

レイチェルさんは力ないボウイの背中を優しく撫で、ボウイが頭を上げると頬にキスをしており、「愛犬が『旅立つ準備ができたよ』と教えてくれたから、最後のハグをしたの」と言葉が添えられている。

レイチェルさんはボウイを安楽死させる決断を下したことについて、「12歳のボウイは両親と住んでいたけど、私とボウイとの絆は特別なものがあったわ。ただ最近はパンデミックの影響でボウイと一緒に過ごすことが少なくなっていた。だから家族がボウイの安楽死を決めた時、私は大反対したの」と最初は乗り気でなかったことを明かし、このように語った。

「でもボウイは末期の心不全で、いつ大きな発作が起きてもおかしくない状態だった。食欲もなく、体の痛みが酷くて苦しそうだった。そしてそんな姿を見た後は気持ちが変わったの。」

「安楽死については様々な意見があるけど、私はボウイが苦しみ、ひとりぼっちで逝ってしまうことだけは避けたかった。ベストフレンドには長生きしてもらいたいけど、きちんとさよならも言えないとしたら心が張り裂けそうだもの。それに最後は苦しまずに逝かせてあげたかったの。」

レイチェルさんによると、ボウイは安楽死が予定されていた9月末、急に食欲が出てそれまでの苦しみが嘘のように元気で幸せそうな姿を見せていたそうで「死の直前、最後の力を振り絞っていたようだった。まるで『ありがとう』と言っているかのようにね。犬というのは、自分の死期が近いことを特別な方法で飼い主に知らせてくれるのだと思う」と述べている。

ボウイは家族に囲まれ、安らかに息を引き取ったそうで、レイチェルさんは「ボウイとのあの最後のハグは一生忘れないわ。だってあの子を抱きしめた時、『ああ、この子はもう旅立つ準備ができている』と感じたの」と語ると、「ボウイが痛みもなく、尊厳をもって死を迎えたことを心から嬉しく思う」と続けた。

ちなみにアメリカで生まれた散文詩(作者は不明)によると、ペットは死後、天国の手前にある“虹の橋”と呼ばれる場所に行き幸せに暮らすという。そして愛する飼い主が人生を全うすると、虹の橋のたもとで再会、一緒に橋を渡って天国へと旅立つそうだ。

そんなこともあって動画の視聴者は、レイチェルさんにこんなコメントを寄せた。

「きっとボウイは虹の橋であなたを待っているわ。」
「あなたをずっと見守っているはずよ。」
「痛みから解放されて幸せに暮らしていると思う。」
「愛されて逝ったボウイは幸せよ。きっとあなたが幸せであることを願っていると思う。」
「私の愛犬も死の直前、『ママ。もういいよ。逝く時が来たんだよ』とでも言うように、私に4回キスをしたの。それで安楽死を選んだわ。」
「愛猫が弱ってしまった時、私が『お別れの時が来てしまったの?』と聞くと、瞬きをしてきたわ。動物はちゃんと分かっているのよ。」

画像は『Rachel march 2022年9月28日付TikTok「Update: Officially RIP Bowie bb」、2022年9月26日付TikTok「Not really though he’s in level six heart failure so it will be soon」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)