【▲ 木星探査機「ジュノー」が2022年7月5日のフライバイ時に撮影した木星の北半球(色を強調したバージョン)(Credit: Image data: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS; Image processing by Björn Jónsson)】


こちらは、アメリカ航空宇宙局(NASA)の木星探査機「Juno(ジュノー)」に搭載されている可視光カメラ「JunoCam(ジュノーカム)」を使って取得された木星の画像です。化学組成の違いによって色が異なる雲や、渦巻く嵐の立体的な性質、高高度に浮かび上がった小さな雲といった、木星の大気の興味深い様相が捉えられています。


この画像は、2022年7月5日に実施されたジュノーによる43回目の木星フライバイ(近接通過)にて、木星の北緯50度付近の上空、雲頂からの高度約5300kmを飛行中に取得された画像をもとに作成されました。ジュノーを運用するNASAのジェット推進研究所(JPL)によると、撮影時のジュノーは木星に対して時速約20万9000km(秒速約58km)で移動していたといいます。


画像を作成したのは市民科学者のBjörn Jónssonさんです。JunoCamの画像は一般の人々が利用できるように順次公開されており、これまでにも数多くの市民科学者の手によって様々な画像が作成されています。


【▲ 木星探査機「ジュノー」が2022年7月5日のフライバイ時に撮影した木星の北半球(自然な色調のバージョン)(Credit: Image data: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS; Image processing by Björn Jónsson)】


ちなみに、木星の雲の複雑な色や構造を明確にするために冒頭の画像では色が強調されていますが、Jónssonさんは人の目で見た姿に近い自然な色調の画像も作成・公開しています。将来、人類が木星圏を有人探査する時代が訪れた時、穏やかなグラデーションに彩られた木星の姿を目の当たりにした未来の宇宙飛行士は何を思うのでしょうか。


Jónssonさんが作成した画像は、2022年8月30日付でNASAが紹介しています。


【▲ 木星探査機「ジュノー」が2022年7月5日のフライバイ時に撮影した木星の北半球。自然な色調の画像(左)と、色を強調した画像(右)を比較したもの(Credit: Image data: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS; Image processing by Björn Jónsson)】


 


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Image Credit: Image data: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS; Image processing by Björn JónssonNASA/JPL - PIA25018: NASA's Juno Mission Reveals Jupiter's Complex Colors (Photojournal)NASA - NASA’s Juno Mission Reveals Jupiter’s Complex Colors

文/松村武宏