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長寿番組『サザエさん』で、「ノリスケ」がツイッターのトレンド入りするなど、ネット上で大いに盛り上がった。

問題になったのは、9月4日「ノリスケ出入り禁止」というエピソードだ。

出版社に勤めるノリスケは「波平が急病で病院に運ばれた」などと嘘をつき、病院に寄るとして会社をズル休みした。

この話が磯野家の耳に入ると、ノリスケは、波平らの前で「おじさん(=波平)もズル休みしたいとき、僕を使って構いません」とウインクするなど、まったく悪びれるところがない。

さすがに波平は「バカ者!おまえは当分出入り禁止だ!」とカミナリを落とし、ノリスケに「出禁宣言」をするのだった。

ノリスケは「親戚中入院させちゃった」と笑顔で明かしており、虚偽申告によるズル休みの"前科"は一度だけではないとみられる。

ツイッターでは、ノリスケを「クズ」などと評する投稿が相次いだ。「家族や親族が病気」と嘘をついて会社を休むと、懲戒処分の対象になるのだろうか。今井俊裕弁護士に聞いた。

●ズル休みは「懲戒処分」の対象となる

--「家族や親族が病気のため病院へ行く」などと嘘をついて会社を休んだ場合、懲戒処分の対象になるのでしょうか

従業員が、虚偽の事実を申告して欠勤を承諾してもらうのは、やはり違法ですね。会社としては欠勤申入れを承諾する前提として、欠勤理由を確認する必要性があります。

就業規則に規定されていなくても、従業員として虚偽理由の申告をしてはならないのは、信義則上の義務と言えるでしょう。これと似たケースで、たとえば有給休暇の取得にあたって、その理由の申告をさせる決まりになっているときでも、従業員が会社へ虚偽の理由を申告することは問題行為と言えるでしょう。

このような従業員を懲戒処分にできるかどうかは、職場に懲戒処分について定められた就業規則等があるか否かによります。一般的には、けん責や始末書提出のような懲戒処分を受けてもやむをえないでしょう。

​​--波平だけでなく、サザエまで「病気」にさせたことがあるなど、ノリスケには複数回のズル休み実績があるようです

過去にも同じような虚偽理由欠勤があったとなると、その回数や頻度、会社の業務へ与えた影響の程度によっては、もっと重い処分も十分にありえます。繰り返し注意しても改善されないなどの場合、懲戒解雇もありえるかもしれません。

【取材協力弁護士】
今井 俊裕(いまい・としひろ)弁護士
1999年弁護士登録。労働(使用者側)、会社法、不動産関連事件の取扱い多数。具体的かつ戦略的な方針提示がモットー。行政における、開発審査会の委員、感染症診査協議会の委員を歴任。
事務所名:今井法律事務所
事務所URL:http://www.imai-lawoffice.jp/index.html