2日、東証で記者会見する日本マクドナルドの原田会長兼社長(撮影:常井健一)

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日本マクドナルドホールディングス<2702>の原田泳幸会長兼社長は2日、東証で開いた決算発表の席上、100円メニューにマロンパイやハーブティーなどを新たに加える方針を明らかにした。熊本県や首都圏の48店舗で限定販売しているアイスクリーム「マックフルーリー」を拡大展開するなど、戦略商品の投入で、昼食時間帯以外の集客力や客単価を向上させる狙い。

 原田社長は「客数を増やしていくという施策が継続的な成長のための不可欠な命題」と述べ、100円メニューが高額なセットメニューとの相乗効果で客単価増に結びついていることを強調した。また、競合のモスフードサービス<8153>が国産米を使った戦略商品を投入することを受け、「メニュー政策は1番がテイスト(味)、2番目にマクドナルドらしさ。これは死守したい」と話し、ご飯ものの投入には消極的な姿勢を示した。

 同日発表した2006年6月中間連結決算は、売上高が前年同期比8.2%増の1705億円だった。客数が同3%、客単価が同1.4%増と軒並み上昇し、既存店売上高は同4.4%増加した。6月18日には、35周年を迎えた同社で過去最高の全店売上げ21億5100万円を記録した。

 営業利益は前年同期より7.5倍の16億円、経常損益は12億円の黒字(前年同期は3300万円の赤字)だった。社員教育を始めとする人材面の投資などで販管費が7億円増加したが、原価率の改善(約6億円)などで吸収した。20億円の減損損失が響き、最終損益は5億円の赤字(前年同期は7億100万円の赤字)だった。

 また、06年12月期の通期の連結業績を上方修正した。従来予想で3390─3510億円としていた売上高が40億円増、25―50億円とした経常益が10億円増とそれぞれ引き上げた。新メニュー投入による収益性改善や5月から一部店舗で始めた24時間営業による収益機会の増大などが主な要因。

 原田社長は、7月末時点で302店舗で行う深夜営業の効果を、通年で既存店売り上げ1.4%(推定60億円)増とする試算を公表。「深夜帯の人材確保は日中より易しい。少し高い時給で8時間働きたいというニーズは多い」と当初の懸念材料を払拭しつつ、顧客の認知から収益面で効果が出るまでに6カ月はかかるとの考えを示した。【了】

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