新型コロナウイルス感染症の広がりにより、テレワークを導入する企業が増え、働く場所が自由になった人も多いのではないでしょうか。そのような人におすすめしたい働き方の一つがワーケーションです。ワーケーションとは、リゾート地や観光地などで、休暇を楽しみながら働く方法で、リフレッシュ効果などが期待できます。

ワーケーションには支援制度があり、お得にワーケーションができたり、知らない土地でも安心してワーケーションができたりします。この記事では、ワーケーションやワーケーションの支援制度について解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

ワーケーションとは

ワーケーションとは、働くという意味のWork(ワーク)と休暇を意味するVacation(バケーション)を合わせた言葉で、休暇を取りながら働く、もしくは働きながら休暇を取るといった意味です。働く場所を自由に選べる人は、オフィスから遠く離れた場所でも働けるため、ワーケーションができるようになります。

企業がワーケーションを認めれば、従業員は旅先でも仕事ができるため、数ヶ月単位の長い休暇を取りながら働くことも可能です。従業員は休暇を取りやすくなり、健康的で文化的な生活を送れるようになるでしょう。

ワーケーションによって、人口減少に悩む過疎地域にも移住者が増えると期待されています。そのため、全国的にワーケーションを広げようという動きも見られています。

休暇型ワーケーション
ワーケーションのなかでも休暇が主な目的であるものを休暇型ワーケーションといいます。リゾート地や有名な観光地で休暇を楽しみつつ、合間にテレワークを行うやり方です。従業員のリフレッシュやリラックス効果が期待できるため、福利厚生として取り入れる企業もあります。

業務型ワーケーション
業務型ワーケーションは、地域課題解決型、合宿型、サテライトオフィス型に分けられます。それぞれの意味は以下の表のとおりです。

どのタイプであっても、「場所を変えて働くことができる」という意味合いが強いタイプのワーケーションです。

各地方のワーケーション支援制度

総務省などで、企業向けにテレワーク導入に関する支援を行っています。また、各地域で独自に行っているワーケーション支援を企業や個人が受けることが可能です。それぞれの地域で行っているワーケーション支援の一部を紹介します。

北海道型ワーケーション
北海道はワーケーションをする人向けに、Hokkaido Work×Vacationというサイトを公開しています。このサイトでは、ワーケーションができる地域をコンセプトやワーク環境などの条件から検索できるほか、補助金制度を実施している地域の紹介なども行っています。

2022年6月現在は、富良野市、室蘭市などで交通費やレンタカー賃料、宿泊費などの一部に対し補助金を支給しています。

日光市ワーケーション実施支援補助金
栃木県日光市では、ワーケーション希望者を誘致するために、宿泊施設の利用料の一部を支援する制度があります。当初は民間企業だけが対象でしたが、現在は民間企業の社員や宿泊プランを提供する旅行会社も補助金を受給可能です。

対象宿泊施設に1泊以上する場合、1泊あたり5,000円を上限に宿泊料の半額が補助されます。交付には申請書や計画書の提出が必要ですが、企業の社員も対象となっているため、個人でも申請可能です。

※参考:日光市「日光市ワーケーション実施支援補助金」

わくわく茨城生活実現事業
茨城県では一時的なワーケーションではなく、移住のための支援を行っています。対象となるのは東京23区在住、または東京圏在住で23区に通勤する人です。

茨城に移住し、茨城で就業もしくは起業をするなどの要件を満たせば、1世帯100万円の移住支援金を受け取れます。さらに、2022年2月からは18歳未満の子ども1人につき30万円が加算されるようになりました。単身世帯への支給額は60万円です。

そのほか、過去にはコワーキングスペースが使い放題の企画や、海辺で合宿のようなワーケーション体験ができる企画なども行われていました。時期によってはこのような企画も実施されているため、茨城県へワーケーションに行く予定がある人は事前に確認してみてください。

※参考:茨城県「わくわく茨城生活実現事業(茨城県移住支援金)」

鳥取県ファミリーワーケーションプログラム造成事業費補助金
鳥取県では、県外に居住する親子が対象の補助金制度を設けており、親子で楽しめるワーケーション企画が豊富にあります。親子で別行動をとり、親は仕事、子どもは川遊びや火おこし体験、魚釣りなど、鳥取県ならではの遊びを楽しめるような企画です。

自宅でのテレワーク中に子どもの相手ができず、困っている親御さんも少なくないでしょう。このような企画があれば、親は仕事に集中でき、子どもは子どもたちとたくさん遊べます。

※参考:鳥取県ファミリーワーケーションプログラム造成事業費補助金

香川ワーケーション協議会
香川県は香川ワーケーション協議会を設立し、香川県でのワーケーションを支援しています。主な取り組みは、香川県でワーケーションをしたいと希望する人や企業に対する宿泊先の紹介です。香川県をよく知らない人でも安心してワーケーションができるように仲介しています。

また、公益社団法人香川県観光協会が運営する「うどん県旅ネット」では、観光しながら仕事を行うモデルケースを紹介しています。ワーケーション計画の参考にしてください。

※参考:うどん県旅ネット「高松市内で2泊3日のワーケーション」

e-加賀市民制度(加賀版e-Residency)の提供
石川県加賀市では、実際に居住している市民以外に、「電子市民」という新しい制度を設立し、ワーケーション希望者の誘致を計画しています。今後は、電子市民を対象にした宿泊費の支援やコワーキングスペースの無料貸し出しなどが予定されています。

このほか、石川県には移住者向けの支援もあります。そのなかでも大きなものが、東京23区に5年以上在住もしくは通勤した人を対象にした「いしかわ移住支援事業」です。1世帯100万円(18歳未満の子どもには1人につき30万円加算)、単身者の場合は60万円が支援されます。実際には細かい条件があるため、公式サイトなどをご確認ください。

※参考:PR TIMES「【石川県加賀市】日本初・e-加賀市民制度(加賀版e-Residency)の提供へ~ 市の官民サービスを世界に開放、温泉×リモートワークも後押し ~」
※参考:石川県「いしかわ移住支援事業」

信州リゾートテレワーク
長野県ではワーケーションをしたい人に向けて、対応施設マップの配布やイベント情報の紹介などを行っています。長野県はリゾート地としても有名で人気の高い場所であり、山登りや温泉、星空観察を楽しみながらのワーケーションが可能です。

長野県は、夏は涼しく山登りに最適で、冬はスノーアクティビティも楽しめる場所なので、休暇に重きを置くワーケーションをしたい人におすすめします。

※参考:長野県「信州リゾートテレワーク」

ふくしま「テレワーク×くらし」体験支援補助金
福島県外の法人や県外在住のフリーランスなどを対象に、福島県でテレワーク体験をするための費用を一部補助する事業です。1~3ヶ月の長期コースでは1人あたり最大30万円、5泊6日までの短期コースは1人あたり1泊最大1万円の補助金を受けられます。

原則として出発日の10日前までに補助金の申請が必要であるため、福島県でテレワーク体験をしたい場合は、早めに申し込むようにしましょう。

※参考:福島県「ふくしま「テレワーク×くらし」体験支援補助金の募集について」

静岡市お試しテレワーク体験事業2022
静岡県静岡市では、移住者増加を目的とし、テレワークの体験事業を行っています。往復の交通費、施設利用料、宿泊費の一部を静岡市が負担するため、大きなお金をかけずに静岡県でテレワーク体験が可能です。施設の組み合わせを工夫すれば、実質無料で滞在できます。

ただし、首都圏在住で地方移住を検討している人が対象であるため、今後もワーケーションを続けていくと考えている人向けの体験事業です。

※参考:静岡生活「“仕事はそのまま、住まいは静岡市”「静岡市お試しテレワーク体験事業2022」実施開始!」

まとめ

ワーケーションとは、休暇を取りながら働く、といった意味の言葉です。日常から離れ、観光を楽しみながら働ければ、リフレッシュでき、仕事の効率化にもつながるでしょう。

移住者を増やすきっかけづくりのために、ワーケーション支援やテレワーク支援を行っている地域はたくさんあります。今回紹介したもの以外の支援事業もあるので、気になる地域のワーケーション支援も調べてみてくださいね。