<ネタバレ>竹中平蔵VSひろゆき10時間激論「重い税金、大きな政府は嫌い。いかがわしいものだと思っている」

写真拡大 (全8枚)

ホンモノの経済でもっとたのしく!「日経テレ東大学」YouTubeチャンネルで配信中!

今回は、2ちゃんねる創始者の西村博之(ひろゆき)さんと、日本一嫌われている経済学者の竹中平蔵さんの濃厚な対談をお届け。

なんと!この対談は書籍化が決まっており、6月24日(金)に『ひろゆきと考える 竹中平蔵はなぜ嫌われるのか?』というタイトルで集英社より発売された。危険すぎる2人の対談は約10時間にも及んだ――。今回はその一部を特別公開!



ケンカマッチで芽生えた友情?


ネット上で竹中平蔵批判を繰り返してたひろゆきさんだが、本人と直接対決することになったのは、2021年10月24日配信の『Re:Hack』であった。

番組序盤は想定通り、ひろゆきさんが「パソナ株で儲かってますよね?」とネットの声を代表するように竹中さんを叩きまくるケンカ状態であった。しかし、議論を重ねるうちにひろゆきさんと竹中さんの考えが近いことがわかり、「次回はじっくり2人で対談をしましょう」という展開に。
こうして実現されたのが今回の書籍化であり、10時間に及ぶ濃密な対談企画だった。



ハリーポッター誕生秘話から学ぶ!? ベーシックインカムの必要性


まずは、両者の共通見解となった「ベーシックインカムの重要性」から議論がスタート。

ひろゆきさんは、現状の社会保障を維持したまま、毎年80兆円の予算を費やしてでもベーシックインカム制度を追加で設けるべきだと主張。


その理由の1つ目は、低賃金労働のまん延を抑止するためだという。ベーシックインカムが無いと、生活のために働かないといけない人たちが低賃金で働いてしまう。結果として企業は人間を低コストで使えるため、AI化や自動化を全く行わず、日本のDXは遅延していくという。

2つ目の理由としては、J・Kローリング氏の事例だという。彼女はシングルマザーで貧しかったが生活保護と手当があったため、小説を書く時間を捻出することができた。そのおかげで生まれた『ハリーポッター』は世界中で大ヒットし、億万長者となった彼女は多額の税金を国に納めている。

ひろゆきさんは、低賃金で働くことを無くし、得意なスキルを磨く時間に充てて、J・ローリング氏のような事例を増やすことが日本に必要だと主張した。



政府はいかがわしいもの


一方、竹中さんのベーシックインカムに対する考えは少々違うようだ。基本的な趣旨には合意をしながらも、財源となる80兆円を消費税で賄うとすると35%まで引き上げる必要があり、その点について懸念を示した。

その理由として「重い税金。大きな政府は嫌い。政府というのは凄いいかがわしいものだと思っている」と主張。小泉内閣時代では、小さな政府を目指していたわけではないが、現状よりも大きくしないように努めていたとのこと。


ベーシックインカムの方法については、ばら撒き型ではなく「所得の低い人はマイナス税率にする」ことで、一定のお金が給付される仕組みにするべきだと提案をした。

また、社会保障を残すことには賛成しながらも、膨大になりすぎているため、取捨選択の議論を行い、必要なものだけを残すようにするべきだと、縮小させる方向性を示した。

ベーシックインカムについて、方法論で多少の違いはありつつ、ケンカしていた2人が嘘のように建設的な議論を展開――。

ベーシックインカムを実施したとしても政府を大きくするべきではないと主張した竹中さん。そこで「大きな政府だと何が問題なのか」とひろゆきさんが質問。


「大きな政府」とは、「予算が大きい政府」と「権限が大きい政府」のどちらを指すのかという違いがある。

まず「予算が大きい政府」については、必ず非効率になると主張。成功事例と言われているスウェーデンやノルウェーは人口が少ないから上手くできているだけだという。人口が少ないと政府と国民の距離が近く、政府が何をしているか見やすい・わかりやすいから無駄を省きやすいとのこと。


一方で日本のように1億人を超える国家では政府と国民の距離が遠く、無駄な部分の可視化が難しく、非効率が発生しやすいそうだ。道州制のように徹底した分権を行えば多少の可能性はあるが、それはそれで制度が複雑になり別の弊害が生まれるため、やはり日本においては「予算が大きい政府」は向いていないと主張した。

対して「権限の大きい政府」については必要性が高まっていると主張。新型コロナウイルス流行への対応で、日本のように権限の弱い政府の弱点が明るみに出たという。緊急時でも「お願い」しかすることができずに、国民性に頼るしかなかった。

また緊急時の対応以外でも、第四次産業革命への国を挙げての取り組みなどでも、中国のように権限の強い国の方がスピード感を持って対応することができるため、権限の大きさが求められ始めているという。

「予算の大きな政府に関しては反対だが、権限はもう少し大きくしても良い」というのが竹中さんの意見のようだ。



公務員を増やせないから電通とパソナを利用した


政府を大きくしないために民営化を主導してきた竹中さん。しかし日本国民は「公務員至上主義」の思想が強く、民営化することが悪という固定概念に苦しめられてきたそうだ。郵政や空港運営など実際に民営化してみると問題はなく、経営が改善しているケースもあるが、いまだに反対は根強いという。

また、竹中さんと同じくらいネットで批判を受ける「電通」や「パソナ」を利用する理由については、日本には公務員が少ないからと解説。日本の公務員数は、人口比で見るとフランスの半分だという。とはいえ、公務員を増やすとなると大反対が起こるので、「電通」や「パソナ」を利用しているだけらしい――。

しっかり話を聞くと「私腹を肥やすためにパソナを挟んでいるわけではないのかも?」とも思えてくるが、ストーカー並に発言を調べ尽くされたアンチ本がドキュメンタリー賞を獲得するほど、国民から嫌われている竹中さん。10時間にも及ぶひろゆきさんとの討論で、邪悪なイメージは刷新できるのだろうか――。気になる続きは、日経テレ東大学と『ひろゆきと考える 竹中平蔵はなぜ嫌われるのか?』(集英社)で!


「日経テレ東大学」YouTubeチャンネルで配信中!です。お見逃しなく!

※番組情報
【ひろゆきvs竹中平蔵】衝撃展開!ケンカ仲直りしてもらったら…超中身ある対談へww【仲直りって、大事】

出演:
西村博之(「2ちゃんねる」開設者)
竹中平蔵 (経済学者)

日経テレ東大学とは?
テレビ東京コミュニケーションズと日本経済新聞社が「本格的な経済を、もっとたのしく学ぶ」をコンセプトに立ち上げたガチで学べる経済バラエティYouTubeチャンネル。