大型家電を購入する際は、収納スペースに置けるか、搬入経路を通れるかをチェックすることが大切です。しかし、もうひとつ見落としやすいポイントがあります。それが冷蔵庫やドラム式洗濯機などの大型家電のドアが、全開する間取りであるかどうかという点です。観音開きの冷蔵庫の購入の際に後悔したことを、日刊住まいライターが語ります。

片側のドアが全開しなかった理由

筆者宅では引っ越しと同時に冷蔵庫を購入しました。もちろん設置場所の計測をし、販売店の担当者にも「問題ない」と言っていただいたうえでの購入です。

観音開きタイプの大型冷蔵庫で、奥行きも幅もピッタリサイズ。搬入経路もまったく問題ありませんでした。写真のように、パッと見た感じ、スッキリ収まって問題なさそうに見えます。

ところが、いざ使い始めてみると、左側のドアは全開するものの、右側のドアは90度ほどしか開かないことに気づきました。

 

全開しないのは、冷蔵庫の右側の壁がジャマをするからです。このように家電の横の壁が長く出ている間取りの場合、ドアは全開しません。そのことに気づくべきでした。

サイズ的にはOKでも使い勝手に問題が…

冷蔵庫のドアは90度開くので、「ものが入れられない」「ドアがまったく開かない」といった大きな支障はありません。ですが、やはりドアが全開しないと窮屈だなと感じる場面が多々あります。

 

たとえば、右側のドアポケットの食材が出しにくかったり、引き出しがドアポケットにぶつかってしまったり…。ささいなストレスが発生しています。

しかも、わが家の冷蔵庫は冷凍室と野菜室も観音開き。左側が冷凍室、右側が野菜室です。それぞれのドアを開くと、中には3段の引き出しがあります。そのため、冷蔵室と同様に右側の野菜室のドアが90度しか開かず、引き出しがめいっぱい引き出せません。

キャベツや白菜など大きな野菜の出し入れが不便なので、事前に半分にカットしてから野菜室に収納するといった対応をしています。

 

一方、左側のドアは全開するので、上段の冷蔵室も下段の冷凍庫も非常に出し入れがスムーズ。やはりドアが全開するほうが使いやすいと実感します。

ドアが全開するかしないかで、快適さに大きな違いが出てくるのです。

 

家電を購入する際は壁との距離もチェックを

家電を購入するときは、設置場所と冷蔵庫のサイズだけを気にしてしまいがちです。この失敗で、事前に実際の動作をイメージして使い勝手までチェックすることが大切だなと感じました。ドラム式洗濯機のドアが壁にぶつかってしまうといった話もよく聞きます。

冷蔵庫を買い替えるタイミングにリフォームして壁をなくすという方法もありますが、あまり現実的ではありません。なので、次回はドアが全開するものにサイズダウンさせようかなと考えています。

ただし、そうなると右側の壁と冷蔵庫の間にかなりの隙間が必要。それに、冷蔵庫の容量が大幅に少なくなってしまいます。この2点はかなりのマイナスポイント。だからといって、壁にぶつからない左開きの冷蔵庫だと、家事動線が非常に悪くなってしまうので選択肢には入れられません。

これから家を建てたり、マンションを購入したりする予定のある方は、こういった細かい部分までチェックすることをおすすめします。