SNSで人気のファッションイラストレーター・珍田さんと、ライターの野田春香さんがタッグを組んだ連載!「こんなときどんな服を着ればいいかわからない」のあるあるなお悩みに合わせたアイテムやコーディネートを、30〜40代の今を生きる3人の個性豊かな女性の日常とともに紹介していきます。

【今回の主人公は、ベーシックな服装が得意の“ミキ”】

40歳のミキは埼玉に暮らす専業主婦。夫、中1の息子、小4の娘、義母と同居中。近所のケーキ屋さんで週3パート勤務。158cm、標準体型。やさしげなオーラがありだれからも親しまれるがそれが裏目に出て舐められることも。どんな場にも対応できるベーシックな服装が得意な一方、地味になりがちなことが悩みです。

スポーツサンダルは、汎用性が高い超便利アイテム

第9回は「スポーツサンダル」の履き回しです。サンダルを履く機会が多い夏場。たくさん歩く日や雨の日にも頼れるサンダルがあれば助かりますよね。ここ数年トレンドのスポーツサンダル(通称スポサン)は今季も絶対に損しない存在ですよ!

●ワンピースに合わせれば、ちょっとしたお出かけもすてきでいられる!

【6/26 日曜日 PM1:00。マユミとアフタヌーンティ】

ミキ:私と夫の間に“月に1度は子供と家事を相手に任せて自由に過ごしていい日をつくる”の取り決めがある。今日はその自由な日曜日。毎回どこへ行こう、なにをしようと浮かれるものの、結局はマユミかミキと出かけることになる。

午後からマユミと丸の内まで足を伸ばしアフタヌーンティーをすることにした。「主婦」や「母」という肩書きから逃れたい日に、独身のマユミがいてくれると私もなんとなく独身気分になれる。

今日はオシャレしよう! とボリューミーなAラインワンピース。体型が隠せるからおなかいっぱい食べても大丈夫。アフタヌーンティーへ行くのにスニーカーじゃカジュアルだし、パンプスを合わせるコンサバは私の好みではない、と合わせたのがスポサン。

このセットにするだけで今っぽさ満点。ワンピースのフェミニンさを適度にカジュアルダウンしてくれつつ、ワンピース効果でスポサンに生活感や年齢を感じさせないところもいいなと思う。すてきなカフェに似合うよう、アクセサリーを多めにつけて華やかさを重視した。

今日は夫と子どもの話はナシ。マユミの年下彼の話が新鮮。私もまた恋してみたいなぁ、もう二度とできないのかな…。マユミ、きれいになったな。自由で、楽しそうで、うらやましくて、少し嫉妬もしてしまった。「あんまり依存しすぎないようにね」と口から出た私の言葉はやさしさじゃなかったかもしれなくて…そんな自分がイヤになった。

●雨の日のちょっとした買い物にも大活躍

【6/27 月曜日 PM2:30。雨の日の買い物】

 

昨夜マユミと別れてから気持ちがモヤモヤしたまま。マユミにイヤな態度を取ったんじゃないかと不安になった。「なんだか昨日は疲れてて、イヤな思いをさせてたらごめん」と連絡した。「気にしてないよ。子育てに仕事に大変でしょ? 今週もがんばって!」と返事をくれたけれど、それさえも素直に受け止められなかった。私、なんだったら納得できるんだろう。

家で考えこんでいても鬱々とするばかり。子どもたちが帰ってくる前に買い物へ…と外へ飛び出した。夕立がきそうだから急がなきゃ。でも、水遊びもOKな素材のスポサンなら降られても安心だし、急ぎ足でも軽快。

Tシャツ、パンツのカジュアルな装いだけど、スポサンなだけでヘルシーに見えるよね。この間買ったトレンドのジョグパンツを合わせてさりげなく今っぽさと“オシャレした”な気持ちも盛り上げた。

すれ違う20代の女の子たちがみんなキラキラして見える。私はもうあの頃には戻れないんだ…と卑屈になった。私、なんでこんなにないものねだりしてるんだろう。せっかく外に出たのに私の気持ちのほうが夕立間近。泣きそうになりながら家へと帰ったら、学校から帰っていた娘が突然「ママの子でよかった」と言い出した。「突然どうしたの?」。聞いても答えなかったけれど、その何気ない一言にとても救われた。

●今回のキーアイテム:スポーツサンダル

歩きやすさと服を選ばない汎用性の高さに取り憑かれ手放せなくなる人が多いのがスポサン。若々しい雰囲気が出るのもアラフォーには利点です。スポーツサンダルという名の通りスポーティーなので生活感が出ないよう注意。

ワンピースの華やかさを利用したり、カジュアルな装いでもTシャツをロゴものにしたり小物の点数を増やしてさっぱり見えないようにすれば、オシャレアイテムとして履きこなせます。