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出店場所を求めて

給油や洗車をしようとガソリンスタンドを訪れると、カフェが併設されていることがあります。

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たとえばエネオスのエネジェット店に展開するドトールコーヒーショップです。


給油や洗車をしようとガソリンスタンドを訪れると、カフェが併設されていることがある。    鈴木ケンイチ

なぜ、ガソリンスタンドにカフェを併設しているのでしょうか?

それぞれ異なる業態どうしのコラボ。まず、最初にドトールコーヒーの担当者にガソリンスタンドへの出店の経緯を尋ねてみました。

「ドトールコーヒーがガソリンスタンドでカフェを展開するようになったのは1999年のこと。もう20年以上の歴史があります」

「第1号店は、神奈川県相模原市にある相模原イースト店です」

「当時、ドトールコーヒーショップは全国に出店を進めているところで、新たな場所を探していました。一方で、ガソリンスタンド側もセルフスタンドが増えていた時期で、集客の1つになるということでわれわれを歓迎していただけました」

「お互いにニーズがマッチしたんですね」とドトールコーヒーの担当者さんは説明します。

ちなみに現在のガソリンスタンド併設店舗は全国で82店。全国のドトールコーヒーショップは約1000店ですから、全体の8%程度になります。

そんなガソリンスタンドのドトールコーヒーショップは、どのような方が利用しているのでしょうか。

「セルフ」に相乗効果?

「ガソリンスタンドには、『給油に訪れる方』、『ドトールだけを利用する方』、『給油とドトールの両方を利用する方』の3種類があります」とドトールコーヒーの担当者。

「当然、給油だけという方よりも、トータルでの来客は多くなります。ちなみに、ドトールコーヒーショップには特徴があります。それは『セルフカフェ』だということ」


セルフカフェとガソリンスタンドは相性が良いのではないかと筆者    ドトールコーヒー

「セルフカフェ」とは何か?

街中にあるドトールコーヒーショップを思い出してみれば「セルフカフェ」をイメージしやすいでしょう。

1人でさっと立ち寄ってコーヒーを飲んでゆくスタイルです。

1人でふらりと立ち寄るというのは、ガソリンスタンドも同じ。

そういう意味で、セルフカフェとガソリンスタンドは相性が良いのではないでしょうか。

さらに近年は、新しい試みもあるといいます。

人の集う場所を目指す

「ただ、近年、新しい試みがあります。それが『ドトールキッチン』です。街中のセルフカフェではなく、郊外で人が集まるお店です」

ガソリンスタンドにカフェを併設しつつ、これまでの店とは異なるスタイルだというのです。


ドトールキッチンはファミリー層やシニア世代、ママ友やサークルの集いなど、グループがターゲット    ドトールコーヒー

「近隣住民の集いの場となるように、『フレンドリーな、ぬくもりパーク』をコンセプトにしています」

「内装は公園をイメージしたグリーンを多用。ファミリー層やシニア世代、ママ友やサークルの集い、グループの利用を想定しています」

「3年前くらいから作られていて、今年は本格的に展開したいと思います。具体的には、全国20店舗を目指しています」

2019年に1号店の「ドトールキッチン」が群馬県館林に出店。

その後も出店が続いており、現在のところ全国に12店舗がオープンしているとか。

そこで、実際に新形態の「ドトールキッチン」はどんな雰囲気なのか、東京郊外のとあるお店を覗いてみました。

訪ねたのは町田市のとあるガソリンスタンドにある「ドトールキッチン」。

ガソリンスタンドは、セルフ式で洗車機もあり、駐車スペースも10台ほどもあります。郊外型ということで、なかなかの広さです。

立地は、ちょっと駅から遠くて、周りは山を切り開いたような住宅エリア。

古い商店街は見えません。緑色の看板のある店内も広くて、ざっと数えて50ほどの席があります。

ただし、ファミレスのように固定された席は、ごく一部で、移動式の小さなテーブルと椅子が並びます。

街中にあるセルフカフェを大きくしたような雰囲気です。

実際にどんな人が訪れているのでしょうか?

店舗をのぞいてみました。

意外? 徒歩での来店多し

覗いたのは平日の夜9時くらいでしたが、それでも10組ほどの先客がおり、そのうちの2〜3組がファミリーまたはグループ。勉強中という若い人が半分くらい。

駐車場に停めてあるクルマは4〜5台ほどでしたから、クルマよりも客の方が多いということ。どうも、まわりの住宅地からカフェを目当てに来ている方が半数ほどということでしょう。


カフェが併設しているということで、ガソリンスタンドの集客は増えると筆者    ドトールコーヒー

メニューは、コーヒーだけでなく、パスタやカレーなどのフードメニューが用意されています。

食事メニューを試したところ、美味しいけれど、ボリュームはそこそこ。

がっつりお食事というより、おしゃれなカフェ・フードというような印象です。

店の雰囲気は明るくカジュアル。ドリンクだけでもOKだし、小腹が空いたときも対応できそう。

ファストフードよりも、気軽に立ち寄れそうに思えるのが魅力ではないでしょうか。

また、郊外にありますから、ママだって、みんなクルマ移動が基本。ガソリンスタンドへ立ち寄る違和感もないでしょう。

クルマ仲間との待ち合わせ場所としてもピッタリ。ママ友だけでなく、クルマ好きにも要チェックの場所といえます。

ちなみに町田のお店をのぞいたのは、平日の夜の遅い時間となっていましたが、それでもポツポツと途切れることなく来客が続いていました。

一方、帰り道で目にしたいくつかの普通のセルフのガソリンスタンドはガラガラ。

カフェが併設しているということで、確実に集客は増えるのでしょう。

セルフから、より多くの人が利用するようになった新しいスタイルは、どれだけ普及するのか。その動向は要チェックではないでしょうか。