50代はほぼ全員老眼。自己判断のケアは逆に悪化も
以前はなかった不調に不安を感じていませんか? 30代後半〜40代は体の曲がり角。不調の正体を知り、早めに対策を。今、不調がない人も将来の対策になります。眼のことについて、眼科専門医の深作秀春先生に伺いました。
その不調、病気のサインかも?対処法をチェック
年齢を重ねるにつれて、体にさまざまな不調が現れるようになる人は多いものです。あれ? と感じたら、その不調を見すごさず、しっかりと対応していくことが大切。
●目の老化は早く始まります
「目の調整力は、じつは20代から低下します。遠視だと30代で老眼を自覚する人も」(深作秀春先生)
●老眼を放っておくとほかの病気の原因に
近くのものがボヤける、暗くなると周囲が見えにくい、そんな症状があれば老眼かもしれません。
「早い人では30代から、通常は40代半ば以降、50代ではほぼ全員が老眼です」
老眼とは、水晶体がかたくなり調整力が落ちている状態のこと。ただ見えづらいだけだと放っておくと、さまざまな病気が隠れていることもあります。
「現代の生活は目の負担が大きく、白内障や緑内障など、さまざまな病気が若年化しています。また、スマホが手放せない生活で、スマホ老眼も増加中。以前より見えづらいと感じたら、早めに眼科専門医に相談しましょう」
●老眼は水晶体の弾力低下、スマホ老眼は毛様体筋の緊張が原因
同じようにピント調整しづらい状態でも、老眼は加齢で水晶体が弾力を失い膨らまず、屈折が悪くなることが原因。
一方、スマホ老眼は焦点調整する毛様体筋が緊張し働かないことが原因。
●まずは老眼をチェック!
老眼は水晶体の弾力が落ちて、目の調節能力が低下すること。近くのものがボヤける、夜道や映画館など暗い場所でより見えづらくなるのが特徴。
・近くを見ているとボヤける
・暗い場所で近くが見えづらい
まだ老眼ではない人も!目の健康に役立つ生活習慣
大事なのは日々の習慣。気軽に取り入れられる方法を紹介します。
●食:ブルーベリーよりも緑黄色野菜を食べる
ブルーベリーより、ルテインやゼアキサンチンなど黄色の抗酸化色素が多く含まれる緑黄色野菜が◎。
「ホウレンソウやブロッコリー、パプリカ(赤、黄、オレンジ)などがおすすめ」
●温:ホットタオルで目を温める
「熱めのお湯に浸して絞ったタオルを、目を閉じたまぶたの上にのせて5分ほどリラックス。周囲の血行をよくして緊張した毛様体筋をほぐし、調節力を回復します」
●休:1時間に1回、遠くの景色を眺める
パソコンやスマホを見続けて目が疲れたら、1時間に1回は休憩を。
「窓から見える遠くのビルを眺めて目を休めましょう。室内なら5m以上先のものをぼーっと見ることでもケアできます」
ESSE世代が知りたい2つの老眼
現代病ともいえる「スマホ老眼」と普通の老眼の違いは?
●スマホ老眼
スマホを長時間見続けると、遠くがぼんやりとしか見えないスマホ老眼になる場合も。
「目の毛様体筋の緊張がとれなくなることが原因です。また、常に目に疲労感が残り、頭痛や肩こりなど、ほかの症状が現れるケースも」
対処法1:目より少し低い位置で見る
スマホを使うときの姿勢や距離も大切。
「目より少し低い位置で、目を見開きすぎず、なるべく離すことも忘れずに」
対処法2:ブルーライトカットグッズを活用。目の休憩も忘れずに!
「スマホのブルーライトは網膜の奥まで届くので、網膜炎など視力低下の原因に。スマホの使用時間を短くするのがいちばんですが、ブルーライトカットのグッズを活用するのもおすすめ」
●老眼
手元の本やスマホの文字が読みにくい、暗いと近くが見えづらいなどと感じたら、ピント調節がうまくできなくなった老眼の状態。
「遠視の人は近くを見るのに必要な屈折調節量が多く、老眼を自覚するのが早めです」
対処法:40代以降は、見えづらいと感じたら、早めに病院へ
40代以降で近くが見えづらいと感じたら、早めに病院で確認を。 「老眼防止の眼筋トレーニングで網膜剥離(もうまくはくり)になるなど目を悪くする人も。自己判断のケアは避けましょう」