NVIDIAは5月19日、日本向けのブログを更新し、羽田空港で運用中の遠隔接客ロボット「mini MORK」に同社製品が採用されていると明らかにした。

「NVIDIA Jetson Xavier NX」を搭載するmini MORK

2022年3月から、羽田空港では遠隔接客ロボットの新モデル「mini MORK」が稼働している。利用者がロボットに話しかけると施設内の道順等を教えてくれるというもので、ロボットは自動応答ではなく従業員が遠隔操作してリアルタイムで応対。実証実験時から人間のスタッフよりも10倍以上の高頻度で利用され、正式導入後も人間のスタッフの対応数を上回っているという。

前モデル「MORK」は約70cmもの大きなサイズのために外装コストが高く、単価が導入上の課題となっていた。そこで新モデル「mini MORK」ではNVIDIA Jetson Xavier NXを搭載し、通信帯域を狭めず小型化と低コスト化を実現。人力対応のために空港内のオペレーションセンターとWebRTCを用いて音声・映像を通信し、さらにコンロトーラ制御のコマンド解析、ROSによるサーボ制御、カメラ、オーディオ、LED制御、サイネージとの同期処理など、ロボットの動作のほぼすべてをNVIDIA Jetson Xavier NXで行っている。

カウンターに設置することで、人の目線と同じくらいになるサイズまで小型化した

インディ・アソシエイツでmini MORKの開発を担当するエンジニアの福井晴敏氏は、「Jetson Xavier NXは動作する電圧範囲が広く、他のデバイスの電圧に合わせやすいので部品点数のスリム化にも貢献しています。排熱も少なく、安定した動作を実現しています。今後、mini MORKは画像認識や音声認識など、AIを使用した機能拡張を検討しています」と述べている。