台湾産コーヒーのブランドイメージ向上へ 産業聯盟立ち上げ

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(台北中央社)台湾産コーヒーのブランドイメージ向上などを目的とした団体「台湾コーヒー産業戦略聯盟」の設立式典が14日、台北市中正区の行政院(内閣)農業委員会で開かれた。同委の陳吉仲(ちんきちちゅう)主任委員(閣僚)は、増産や品質確保によって、台湾産コーヒーが国内や全世界で注目されることに期待を寄せた。

同団体は同委の指導によって立ち上げられた。「Qグレーダー」と呼ばれるコーヒー鑑定士の資格を有する林哲豪さんが座長を務める。供給と需要のマッチングによる価格の安定化やコーヒー生産者の知識、技術面での訓練なども推進する。

同委農糧署が昨年オンラインで初めて開いた台湾産スペシャルティーコーヒーの国際オークションには、9件の国産コーヒーが出品され、平均落札価格は1キロ5760台湾元(約2万5000円)に達した。中でも南部・嘉義県阿里山の卓武山コーヒー荘園の豆には最高の3万820元(約13万3600円)の値が付いた。

林さんは、台湾における最高級コーヒー豆の消費量は世界的にも驚くべきものだと指摘。一方で、台湾でのコーヒーの生産コストは非常に高いため、聯盟を通じた鑑定の強化や品評会への参加のほか、産業とコーヒー農家のつながりを作ることによってこそ、高品質なコーヒーを生み出すチャンスがさらに生まれ、ひいては輸入豆に取って代わり、高品質コーヒー市場に参入できるようになるとの考えを示した。

現在台湾全土に530店舗余りを展開するコーヒーチェーン、ルイサコーヒー(路易莎)は今年、国産豆1200キロの調達を決めた。昨年、台南や阿里山のコーヒー農園の豆など740キロを調達し、1杯120元(約520円)で提供したところ、消費者から非常に良い反応が得られたという。黄銘賢董事長(会長)は、今後も調達量を増やしていく考えを明らかにした。

陳氏によれば、台湾でのコーヒー栽培面積は1000ヘクタール余り、生産量は年間900トン余りとなっている。同委の貿易統計によると、昨年台湾が輸入したコーヒーの量は約5万トンだった。

(楊淑閔/編集:名切千絵)