突然だが、こちらの画像をご覧いただきたい。

漢字がずらりと並んだ白い湯呑みである。部首が「月」のものばかりセレクトされている。

作者はマルチクリエイターの南村杞憂(@kiyunamura)さん。2022年3月1日、

「『魚食べる時に使う魚の漢字の湯呑みがあるならお肉食べる時に使うにくづきの漢字の湯呑みがあってもええんちゃう?』と思って作ったらなんか思ってたんと違う キモい」

とつぶやきながら写真を自身のツイッターアカウントに投稿した。

確かに、「魚」の湯呑みがあるのであれば「肉」に関連する湯呑みがあってもおかしくはない。しかし、肉に関する部首「にくづき」が使われた漢字を並べてみても、「肥」「膝」「腹」「腸」「脳」......と、ちっとも食欲はそそられない仕上がりに。

投稿には9000件を超える「いいね」(14日夕時点)に加え、こんな声も寄せられている。

「肺とか臓を見て、肉と言うより焼肉でホルモン食べるのを連想しました。焼肉ならマッチしそうだと思いました」
「痩せる湯呑みで売れる」
「『肥』『脂』『肪』とか見ながら肉を食べるのは罪悪感がつのりそう...」

Jタウンネット記者は4日、この作品について投稿者で制作者の南村さんに話を聞いた。

お肉に添えて使ったら...?

魚の漢字が書かれた湯呑みのパロディ作品を作りたいと以前から考えていたという南村さん。一番に浮かんだ案が、魚から連想した「肉」と「にくづき」だったため、今回の作品が生まれた。

しかし呟きの通り、「なんか思ってたんと違う」結果に。具体的にはどんなところが想像と違っていたのだろうか。

「普通にお肉に添えて使ってたら不味そうですよね。『なんの肉なんだろ......』みたいになります。
にくづきってお肉というよりは人体とかそういう関連の意味の漢字が多いので、『キモっ』てなるのは主にここが大きいですよね。むしろ食欲がなくなってしまいますね」(南村さん)

湯呑みに書かれた漢字は、見たことのあるものを中心に「膾(なます)」や「腓(こむら)」など、南村さんの中で「これってこんな漢字なんだ!」と発見があったものも加えたそう。また、旧字体や変字体などは混乱を避けて入れていない。

「入れようと思えばデザインの組み方次第で何字でも入れられるので、どのくらいの文字数でどの程度選び出して載せようかはまあまあ考えました。ちょうどいい具合にはなったかなと思います」(南村さん)

今回、この湯呑みの活用について、ツイッターでは「病院に行って『どうしました?』と聞く医師の机にあったら」「病院の院長室に置いてほしい」といった反応もある。南村さんはこういった反響に対し、次のように語った。

「『焼肉屋さんとかより病院の方がいいかも』というコメントにはめちゃくちゃ同意しました。お医者様でこれ使ってくれる方がいたら面白いなあ」

なお、この「にくづき湯呑み」は、南村さんの作品を扱う通販サイト「杞憂代理店」で、予約販売されている。価格は税込3850円。