フランクリン・ プランナー / フランクリン・プランナー

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目標の背景にある「役割」

仕事において、様々な目標を持っている(あるいは目標として与えられる)と思いますが、その目標の背景にある役割について考えたことがあるでしょうか。

与えられた目標に対して不満があったり、納得ができなかったりする場合は、多くの場合、与えた側とあなたの間には、役割の解釈、定義の違いがあります。「そんなことまで私の仕事ではない」「そこまでの責任はない」と言った具合です。

私たちが目標を設定する際、必ずある役割において目標を設定します。(あるいは目標が与えられます)

例えば、「今期の売上1億円」という目標の場合、「営業部員」という役割においての目標であり、「部下を接客のプロとして育てる」という目標は、「リーダー」という役割における目標です。また、「社員の給与を1割上げる」という目標は「経営者」としての目標となります。ビジネスだけではなく、「父親」「母親」「バンド仲間」「ボランティア」「サークルの一員」という役割もあるでしょう。

役割とは、その立場における対象者への責任のことです。営業として仕事をすればいい、父親であればいい、ということではなく、仕事であれば、上司や顧客や部下、父親であれば妻や子どもに対して、その責任を果たすということです。そして、責任というからには、対象者が求めていること、ニーズを理解しなければなりません。つまり、役割とは、単に「仕事」「家庭」といったカテゴリーのことではありません。

そのカテゴリーのなかで、自分の役割をどのように定義するか、役割における責任をどのレベルにおいているかということです。

そういう意味では、自分の役割を、自分がどう捉えているか、役割における責任をどのように定義しているかで、目標自体が変わりますし、その目標へのモチベーションも大きく変わってきます。

会社のなかで「営業」というカテゴリーにいるとしても、単に固定の顧客とのリレーションとして、「そつなくこなせばいい」と思っていると、必然的に目標は「そこそこ」の目標しか設定することはできないでしょうし、レベルの高い目標を与えられたとしても、「それは無理です」という反応になってしまうでしょう。

逆に、「営業」として「新たな市場を開拓し、新規のプロジェクトを成功させ、会社の将来を担う責任がある」と自分で定義していれば、まったく違う目標を設定しようとするはずです。

また、ニーズという意味で考えれば、さらに、上司や部下も一人ひとり異なります。もっといえば、時期やその時に解決するべき問題や課題によっても異なるでしょう。

「自分のおかれている役割としての責任、目指すべき姿」というのは、残念なことに、上司や部下、顧客との認識が異なる場合のほうが多いものです。

ですから、目標を考える前に、自分の役割における責任を定義することは、とても大切なことです。

役割の背景にある「価値観」

そして、その役割を定義するときに、大きく関係してくるのが、あなたの持つ「価値観」です。この場合の価値観とは、「ものごとに取り組む際の気持ち、態度、ポリシー」といったことになります。自分なりのルールと言ってもいいかもしれません。

行動していて、「何か釈然としない」、「すっきりしない」、「納得感がない」ときなど、大きな原因の一つは、役割の責任を果たした(と思った)としても、その背景にある価値観と合っていないと感じるときです。

あなたには、たくさんの役割がありますので、その役割ごとに、同じ価値観で通すことができれば問題はないのですが、往々にして、「立場やその時の状況」、「問題が起きた場合」など、その都度、違う価値観で対応しなければならないことがよくあります。

これは意識をしておかないと、流されやすいものです。

価値観と、その価値観に沿った役割の定義、その定義に従った目標の設定、そしてその目標実現のための行動計画、この一連の流れができたときに、たとえ、想定した結果とならなくても、自分自身の行動に対して納得できることになります。

そして最も大切なことは、役割の定義は自分で変えることができるということです。役割の定義は与えられるものではありません。「お前の会社での役割は○○だ」と言われたとしても、あくまでそれは職務規定(ジョブディスクリプション)上のことであって、あなたの価値観や果たそうと考える責任のことではありません。

価値観にもとづいて、「何事にもチャレンジする気持ちを忘れずに、チームメンバーを率いる」「つねに成長を続けるために新しい仕事に取り組む」など、自分なりの役割の定義することはとても大事なことです。

そして、役割における定義を自分で行い、それを、上司を含めた周囲の人たちと共有することです。そうすることで、新たな目標への意欲もわき、賛同者も獲得することができますので、目標の達成確率も飛躍的に上がることでしょう。