Engadget

おうち時間が長くなるにつれ、家庭内の匂いが気になっているという方もいるのではないでしょうか。元々人間の嗅覚というのは短時間で順応する、つまり気にならなくなるようにできてはいるのですが、家の中の特定の場所の匂いや、変化する匂いに対しては、なかなか順応しないものです。

筆者の場合、ペットのトイレの匂いをどうするかがずっと課題でした。トイレは脱衣所に設置しているのですが、お風呂に入ろうと思って脱衣所に入ったとたん、猫特有の強い糞尿の匂いがすると、心地よい入浴も台無しになってしまいます。

マメに砂を変えたりシートを交換したりするのですが、ネコはネコで気ままな時間にトイレに行きますので、食事中に遠くから「あっ、やったな…」と匂いが漂ってくるのはなんとも複雑なものです。

そんなこんなでペットのトイレの臭いとの戦いは永遠に続くと思われたのですが、思わぬところで解決してしまいました。それが今回ご紹介する「PurrAir」です。こないだまで「Makuake」にてクラウドファンディング中だったのですが、目標金額10万円ところ2892万円を集めて大成功のうちに終了したプロジェクトとなりました。

「Makuake」で入手した小型空気清浄機「PurrAir」

筆者は早いうちにクラファンで支援し、6,400円でゲットすることができました。お届予定は10月末だったのですが、予定より2週間ほど遅れて届き、便利に使っているところです。

まず製品ですが、直径約12cm、厚み約3cmの円盤型の空気清浄機です。こんな小さい空気清浄機がアリなのかと疑問に思わるかもしれませんが、やってることは「プラズマクラスター」とか「ナノイー」とかと同じように、プラズマ放電によってイオンを放出し、それによってニオイ成分を分解・除去することで脱臭されるという仕組みです。

筆者宅ではすでに、トイレ内にシャープの天井設置型プラズマクラスター機「IG-LTA20」を長年運用し、エアコンはパナソニックの「ナノイー」搭載モデルを使用しておりまして、双方で高い効果を認識しておりました。同じような原理ならまず間違いなかろうということで、支援となった次第です。

本体は天面にファン付きの給気口、側面に排気口があります。内部にプラズマ放電装置がありますが、メンテナンス用に底部に穴が開けられています。3週間に1回ぐらい綿棒で掃除せよ、ということのようです。前面には給電用のUSB-TypeC端子があります。

天面吸気、背面排気の構造
底部にはメンテナンス用の穴

内部にはバッテリーも内蔵しており、フル充電で約28時間稼働します。一時的な利用ならバッテリー駆動で十分ですが、据え置きで動作させるのであれば、電源直結での動作も可能です。おそらくそういうニーズを想定してか、給電用として付属するUSBケーブルは2mぐらいのものが同梱されています。

全長2mの電源ケーブル

ファンの横に小さなポッチがあり、そこが電源ON/OFFのタッチセンサーになっています。1回タッチでON、長押しでOFFです。

ファン横の小さなポッチが電源ボタン

充電中は横のLEDライトが点滅しますが、動作中はライトが点いたままになります。唯一の難点は、給電した状態でONにしていてもライトが点きっぱなしなので、ちゃんと給電されて動作しているのか、内部バッテリーで動作しているのかの区別がつかないところでしょうか。

■小さいけど効果は絶大

実際にうちのネコ「はなちゃん」のトイレに設置してみました。両面テープで貼り付けられるマグネットが付属しており、トイレ天井には磁石で張り付きます。設置したその日はそれほど効果がなく、あれーと思っていたのですが、翌日ぐらいから独特の糞尿の匂いがしなくなりました。最初はなちゃんも目を三角にして「なにこれ?」という顔をしてましたが、「サー」というファン音がする程度なので、問題なく受け入れたようです。

目を三角にして問い詰めがちなはなちゃん
トイレ天面にマグネットで貼り付け

あいにく設置場所の脱衣所にはコンセントの空きがありませんので、大容量モバイルバッテリーを繋いで動かしています。これでだいたい1週間ぐらいは保つので、バッテリーが無くなったら充電してまた動作させる、みたいな運用をしています。

面白いのは、バッテリーが切れて1日2日たっても、すぐに匂いが戻るわけではないところです。おそらく匂いの元となる雑菌が死滅しているため、それぐらい放置しても大丈夫な状態になっているのかもしれません。

小型なので、消臭できる空間はある程度限られます。ネコのトイレだけでなく人間用のトイレや靴箱、クローゼット、車の中など、ある程度狭い空間でなら威力を発揮できるはずです。部屋全体を消臭したいなら、もうシャープさんの空気清浄機とか買ったほうがいいです。本機のポイントは、どこでもワンポイントリリーフ的に使えて、消臭剤や芳香剤と違い、別の匂いが付くわけではない、というところではないでしょうか。

気になる寿命ですが、一応名目上は寿命はないことになっています。ただファンモータの劣化もあるでしょうし、シャープのプラズマクラスタの場合は約2年でユニット交換となります。本機の場合、どれぐらい効果が持続するかは未知数ではありますが、それも含めてテストしていきたいと思います。

匂いはなかなか目に見えないこともあり、効果がわかりにくいところではあります。また使い始めてすぐ効果が現れるわけではないので、「効いた感」が薄いのが弱点ですが、ニオイ問題を長期的に解決したいという手段としては、なかなかいいところに目をつけた製品と言えるのではないでしょうか。

なお今後一般販売される場合の市場想定価格は、9900円になるようです。筆者は一般発売されたら、車用にもう一台購入する予定です。

関連リンク:PurrAir(Makuake,プロジェクト終了済み)