将来のiPad miniは120Hz画面?からAppleシリコンは2023年に3nmに移行?まで。最新アップル噂まとめ
アップルは9月と10月の2か月連続でイベントを開催しましたが、これで2021年内の新製品は出尽くしたと思われます。あとは年末商戦を待つばかりですが、アップル自らが半導体不足による品薄を警告しており、その前にクリスマスプレゼントなど買っておくといいかもしれません。
将来のiPad miniは120Hz画面?からAppleシリコンは2023年に3nmプロセスに移行?まで、最新アップルの噂をまとめてお届けします。
iPhone 14(仮)用プロセッサ、3nmプロセス製造は無理?TSMCが技術的に苦戦しているとの噂
iPhone 14(仮)のSoCは「N4P」製造との噂。5nmプロセスの改良版で4nmではない?
iPhoneに搭載されるチップは、2018年のA12 Bionicおよび19年のA13では7nm、2020年のA14と2021年のA15は5nmという風に、「2年に1回は製造プロセスが微細化」する道のりを辿ってきました。
その流れから2022年のiPhone 14(仮)用プロセッサは3nmになるとの予想が有力でしたが、チップ製造を担当する台湾TSMCが技術的に苦戦しているため無理そうだという噂話です。
有料ニュースメディアThe Informationいわく、TSMCが3nmへの移行に難航しているため、iPhone 14用A16 Bionic(仮)は3年連続で5nmに留まる見通しとのことです。半導体製造における製造プロセスとは回路線幅のことであり、7nm、5nm、3nmと数字が小さくなるほどトランジスタ集積度が高まり、結果的に処理速度や省電力性能が改善される傾向があります。
プロセスルールの微細化に苦労しているのはTSMCだけでなく、インテルの方が先輩と言えます。同社の新世代CPUとなる第12世代Coreも10nm止まりではありますが、別のアプローチで改良を試みており、微細化の難航が必ずしも性能の停滞を意味するわけではありません。
そんなThe Information記事の直後に、台湾の電子部品業界情報誌DigiTimesがiPhone 14のプロセッサは「N4P」製造だと報じています。言葉だけを見れば4nmプロセスなのか……と思いきや、TSMCは「N4P」を「5nmファミリーの3番目の大きな強化」と呼んでおり、「実際は5nmプロセスだが4nm相当の性能向上」の可能性も浮上したしだいです。
いずれにせよ、iPhone 14のプロセッサが13世代よりも向上しているのは確実のはず。新型iPhoneが発売されるであろう2022年秋までには、世界的な半導体不足が解消していることを祈りたいところです。
将来のiPad ProとMacBook Proに「2スタック有機EL」採用、画面が超明るくなるとのウワサ
iPad ProとMacBook Proはハイエンド製品として、ミニLEDバックライト画面などアップルの最新技術が投入される傾向があります。その延長として、「ツースタック・タンデム構造」を持つ有機EL画面の採用が検討されているとの噂話です。
韓国メディアThe Elecによると、この新技術を使うパネルは赤、緑、青の発光層を2段重ねにしており、最大で2倍の輝度を持つとのこと。現行アップル製品のうち有機EL画面を搭載したiPhone 13 Proモデルはシングルスタック(1枚重ね)にすぎません。
The Elecは9月末から将来のiPad(当初はAir、後にProへと転換)に2枚重ねの有機ELパネルが採用されると報じています。アップルがそれを望む理由としては輝度の向上ほか、パネルの寿命が4倍となるため「長期にわたって使われるiPadに向いているから」と説明されていました。
また本方式の有機ELパネルには、LTPO技術が採用されるとのこと。これはiPhone 13 Proにも導入されたものであり、10Hz〜120HzのProMotion(可変リフレッシュレート)に対応する可能性があります。
現行iPad ProのProMotionは24Hz〜120Hzであり、新技術により下限が10Hzまで抑えられたなら、さらに消費電力が節約されてバッテリーが長持ちになるかもしれません。
将来のiPad miniは120HzのProMotion画面を搭載?ゼリースクロール解決か
iPad mini(第6世代)はiPhone 13シリーズと同じA15 Bionicを搭載し、iPad Air(第4世代)のように側面Touch IDボタンを採用したことで「操作レスポンスが速く、ロック解除しやすい」と好評を呼んでいます。しかし一方では「ゼリースクロール」すなわちWebサイトや電子書籍などを上下すると画面が波打つようにうねる現象が一部ユーザーに確認され、話題となりました。
そんななか、iPad mini後継モデルではProMotionディスプレイを採用し、最大120Hzの可変リフレッシュレート実現を目指しているとの噂話が報じられています。
韓国フォーラムClienへの投稿(有名リーカー@FrontTron氏が引用)によれば、暫定名「iPad mini 6 Pro」ではサムスン提供の120Hzディスプレイがテスト中とのこと。RAM容量は4GBでA15チップ搭載(現行モデルも同じ)であり、第6世代よりも少し高価だがそれほどでもないと述べられています。
ゼリースクロール現象は、液晶画面が1行ずつ書き換えられる構造上、左と右の更新に僅かなズレが生じることから起こるものです。そしてiPad Proも同じ設計(本体を縦置きにした場合、画面コントローラーボードが縦向きになる)ながらも生じていないのは、120Hzの速さで画面を更新しており、人の目には見えないため。つまりiPad miniも120Hz対応すれば解決すると予想されるわけです。
とはいえ、「プロセッサもRAM容量も同じで画面だけが違う」第6世代Proモデルが、今後すぐに登場するとも考えにくいはず。もしも発売されるとしても、しばらく先のことになりそうです。
iPhone 13をサードパーティ画面に交換するとFace IDが無効になるしくみが明らかに
修理業者iFixitがiPhone 13 Proを分解したさいに、ディスプレイを交換するとFace IDが機能しなくなることが判明していました。その詳しいしくみが、改めて報告されています。
その結論は、当初の「どうやらディスプレイが携帯電話にシリアルロックされているようです」との推測が当たっていたかたちです。
すなわち小さなマイクロコントローラーが画面に紐付けされており、画面交換後にはアップル公式のソフトウェア+クラウドサーバーを通じてiPhoneと画面のシリアル番号を同期させてから、ようやくFace IDが機能するというもの。アップル非公認の修理業者や個人ユーザーは、これらアップル謹製ツールやサーバーにアクセスできるわけもありません。
ただし抜け道はあり、それは元の画面から交換用画面にハンダ付けされたチップを移植するというもの。実際にiFixitは工作機械でチップを切り取る作業を公開していますが、やはり専用設備のない修理業者が手作業でやるのは不可能と思われます。
昨年のiPhone 12シリーズではそうした仕組みは確認されおらず、アップルが非公認の修理に対する制約を強めた可能性もありそうです。米国にて「修理する権利」運動に政府の後押しが加わっているもと、今後の展開を見守りたいところです。
iPhoneとMac用Appleシリコン、早ければ2023年に3nmプロセスに移行の噂
この噂話の発信源は、先に「2022年のiPhone 14用プロセッサには3nmプロセスが間に合わない」と伝えたThe Informationです。つまりTSMCの3nm技術による量産は2022年内には無理だが、2023年には現場に投入されるかもしれないということで、辻褄はあっています。
同誌が伝えるアップルのロードマップによると、まず2022年に「改良版5nmプロセス製造」の第2世代Appleシリコンが送り出される予定とのこと。ちなみにiPhone 12シリーズ用のA14チップとiPhone 13シリーズのA15チップはどちらも5nmですが、後者には改良された「N5P」が使われていると見られています。
少し未来の話としては、2023年にはMac用の3nmチップが製造開始され、そのチップは4つのダイから構成。そして1つのダイには最大40ものCPUコアが搭載されると述べられており、合計すればCPUが最大160コアになる模様です。新型MacBook ProのM1 ProとM1 MaxともにCPUコアは10個であり、その最大16倍にも上ることになりますが、価格的にも一般ユーザーには縁の遠い存在となりそうです。
それより身近な話題は、お手ごろ価格の次期MacBook Airが2022年に発売され、初の第2世代Appleシリコンが搭載されるとの見通しでしょう。
このチップについてはCPUコアが8個でM1と同じながら、GPUコアは7〜8個から9〜10個に増やされつつ、より高速に動作するとの噂話もありました。M1 MacBook AirがMacBookの売上げを牽引しているとの分析もあり、アップルも力を入れると期待したいところです。