M1 Max Games Test
MrMacRight

新型MacBook Proに搭載されたM1 Maxは従来モデルよりも強力なグラフィック能力を備えており、公式情報の数値だけならばPS5よりも高く、デスクトップ用のRTX 2080にも匹敵すると推測されています

では、実際にゲームを遊んでみたときのパフォーマンスはどれほどなのか。おもにアップル製品でのゲームを扱っているYouTuberが、M1 Maxチップと32GBのユニファイドメモリを搭載した16インチのMacBook Proで実行したゲームのテスト結果をまとめています。

YouTuberのMrMacRight氏がmacOS対応のゲーム25本について検証してみた結果は、おおむねミドルレンジのゲーミングPC用として人気の高いRTX 3060グラフィックスカードと同等以上の性能を持つマシンだと判明したとのことです。

まず動画の冒頭では、Appleシリコンにネイティブ対応した『Baldur's Gate 3』が紹介。解像度を1440pにした場合はほとんど120フレーム/秒で快適に動作しており、戦闘シーンなどの非常に激しい動きがあるときは少しフレームレートが下がっている模様です。

またRosetta(インテル製チップ用コードをAppleシリコン向けに変換)で動作する『Metro Exodus』はネイティブ解像度では40〜50fpsを達成。それよりは落ちるが見栄えのする1080pでは、96fpsを記録しています。同じくRosetta経由で動く『Shadow of the Tomb Raider』も、1080pで96fpsを実現しています。

ほとんどのゲームはMacに最適化されていませんが、米9to5Macは「これは鶏と卵の関係のようなもの」とコメント。すなわち、これまでのMacではゲームがうまく動かず売上が伸びなかったために開発者側にもインセンティブがなかった。が、今回のような良好な結果を見て、ゲーム開発者が市場を拡大するチャンスと思ってくれるかもしれないと述べています。

さらに注目すべきは、M1 MaxがWindowsノートPC用のRTX 3060と同等ながらも「消費電力が少なく、ファンが回らない」ということ。コンセントに挿しっぱなしにする必要もなく、発熱やファンの騒音にも悩まされない強みがあるというわけです。

その一方で、テック系ブログTom's GuideはM1 Max搭載MacBook Proと仮想化アプリParallelsとの組み合わせでWindows用AAA(超大作)ゲームの動作を検証。が、どれもが予想よりも低いフレームレートだったか、起動そのものが失敗したと報告しています。

これらを総合すると「macOS対応ゲームはRTX 3060搭載のWindows PCと同等以上に動くが、そもそもmacOS対応ゲームが少なすぎる」といったところでしょう。

Macの普及に社運を賭ける理由がなく、投じた移植コストが報われる保証がどこにもないサードパーティーのゲーム開発会社に期待して、「ゲームのために」M1 Max搭載モデルを買うのは思いとどまった方が賢明かもしれません。アップル自らが巨額の開発費を注ぎ込んで、Macでしか遊べないAAAタイトルを送り出すよう祈りたいところです。

2021 Apple MacBook Pro

Source:MrMacRight(YouTube),Tom's Guide

via:9to5Mac