電気・ガス・水道の請求金額は、基本料金と使用量に対する従量料金の合計となっています。使用量とは無関係に、一定額の基本料金を支払わなければなりません。
毎月の基本料金を少しでも安くできれば、水道光熱費の節約につながりますが、はたしてそんなことが可能なのでしょうか。今回は、電気・ガス・水道の基本料金について解説します。

水道光熱費の平均はいくらくらい?

水道光熱費とは、私達の生活に必要な「水道、電気、ガス」の使用料金です。水道光熱費は、基本料金に加え、使用量に応じた料金が加算されるのが一般的です。ガス料金は、都市ガスかプロパンガスかによって計算方法が異なります。各家庭にかかる水道光熱費はどのくらいなのか、総務省統計局の資料をもとに全国の平均を表にまとめました。

出典:家計調査 家計収支編|総務省統計局

電気料金の仕組み・基本料金を解説!

まずは、多くの世帯で一番出費が高額になりがちな電気料金について見てみましょう。ここでは、電気料金の仕組み、基本料金、電気代を節約する方法などについて解説します。

電気料金はどのように決まる?

電気料金は契約種別ごとにたくさんのプランがあります。ここでは、東京電力エナジーパートナーが提供する一般的な家庭向けの契約プラン「従量電灯B」について解説します。

電気料金の計算式は、「基本料金+電力量料金(単価×電力量±燃料費調整額)+再生可能エネルギー発電促進賦課金」です。このうち基本料金は、契約電流のアンペア数によって10Aから60Aまで、段階ごとに料金が決められています。アンペア(A)は電流を表し、アンペア数が大きいほど基本料金も高くなります。

以下に、東京電力の従量電灯Bのアンペア別基本料金を紹介します。ただし、電気料金の仕組みや基本料金は、地域や電力会社、小売電気事業者などのプランによって異なります。

出典:従量電灯B・C|東京電力エナジーパートナー ※電力量料金は、燃料価格の変動に応じて燃料費調整額を加算あるいは差し引きます。 ※電気料金を算定する際は、再生可能エネルギー発電促進賦課金を加算します。

電気料金を節約するには?

電気料金を節約する方法の一つとして、契約している電気のアンペアを下げる方法があります。同時にたくさんの家電を使っていない場合は、契約アンペアを見直してみるとよいでしょう。

契約アンペアは、一般的な電気設備で工事の必要がない場合は、無料で希望の容量に変更してもらえます。契約アンペアを下げれば、そのぶん基本料金を安くすることができます。ただし、契約アンペアは年間契約が基本です。エアコンを使う夏だけはアンペアを上げたいというような変更はできないため気をつけましょう。

また、基本料金以外に、電力量を減らすことも電気料金の節約につながります。たとえば、照明をこまめに消す、古い家電を省エネ家電に買い換えるなどが考えられます。特に、常時通電している冷蔵庫、部屋ごとに使う照明、夏冬の在室中は付けっぱなしが多いエアコンなどは効果的です。

消費電力の多い家電や電球を使い続けているなら、最新の省エネ製品に買い換えれば電気代の節約になります。

ガス料金の仕組み・基本料金とは?

ガスの種類にはプロパンガスと都市ガスがあり、それぞれ料金の仕組みが異なります。ここでは、ガス料金の仕組みや基本料金、節約方法を解説します。

プロパンガスの基本料金

プロパンガスは古くから自由料金制で、販売事業者が自由に料金を決められます。そのため、地域や販売会社によってかなり料金に開きがあるのが特徴です。

プロパンガスは特に基本料金の地域差が大きく、基本料金の平均が安い地方では1,600円台、高い地方だと2,100円台とかなりの差があります。基本料金には、ガスボンベの配送費やガスメーター維持費、管理費や検針費などが含まれているのが一般的です。

また、基本料金のほかに、使用量に応じて従量料金が加算されます。また、プロパンガスの基本料金と従量料金に加え、さらに設備使用料を加算する「三部料金制」をとっている会社もあります。

都市ガスの基本料金

都市ガスは、2017年4月にガスが自由化され、地域やガス会社によって料金はまちまちです。基本料金で見てみると、900~1,000円程度が全国的な相場となっています。

都市ガスも、基本料金のほかに、使用量に応じた従量料金が加算される仕組みです。また、使用量によって基本料金も段階的に変動します。

都市ガスはプロパンガスと違い、ガス管を通ってガスが供給されます。配送にかかる人的コストがかからない分、一般的にプロパンガスよりも基本料金は安めです。

ガス代の節約方法

ガスの基本料金は上述したように地域やガス会社によって異なるため、基本料金が安いガス会社に切り替えれば支出を抑えられる可能性があります。

現在プロパンガスを使用しているなら、都市ガスの配管引き込み工事が可能な場合、料金の安い都市ガスへ変更することもできます。ただし、基本工事、ガス栓ライン工事、埋設管工事、諸経費などの費用がかかるため、合計で10~20万円程度必要です。都市ガスに切り替えることで、どの程度の節約が可能かを慎重に検討する必要があるでしょう。

水道の基本料金は抑えられる?

上水道や下水道は、多くの地域では地方公営企業である水道局が担っています。ここでは、公共料金である水道料金の仕組みや基本料金について解説します。

水道料金の仕組み・基本料金

水道料金は基本料金と使用量に応じた従量料金で計算されますが、管轄の水道局によって若干地域差があります。

水道の基本料金はメーターの口径の大きさによって何段階かに設定されています。口径とは水道メーターにつながる水道管の太さのことで、呼び径ともいいます。一般家庭の口径はだいたい13~25mmで、20mmが主流です。

一例で、東京都水道局の基本料金を紹介します。

出典:水道料金・下水道料金の計算方法(23区)|東京都水道局

水道料金を抑えるには?

水道は一部民営化の話もありますが、まだまだ電気やガスのように自由化には至らず、地域の水道局が管轄しています。そのため、安い水道会社に切り替えるという選択肢はありません。

水道料金を下げたい場合、基本料金の安い小さな口径に交換したいと思う人もいるでしょう。しかし、水道メーターと適合するサイズの引き込み管を交換するとなれば、数十万から100万円前後の工事費がかかるため現実的ではありません。

水道料金の節約には、やはり徹底した節水対策が重要です。お風呂の水は洗濯や掃除などに再利用する、洗濯は少量でなくまとめ洗いする、シャワーは節水タイプにするなど工夫してみましょう。

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まとめ

電気やガス料金は、契約している会社や契約内容によってお得なプランに乗り換えることもできます。水道光熱費の平均と比べて使いすぎていると感じた場合は、契約を見直してみてはいかがでしょう。水道は基本料金の減額が難しいため、節水により使用水量を抑えることが大切です。

水道光熱費はライフラインを維持するために必要な経費なので多少の出費はやむを得ませんが、契約の見直しや工夫次第で節約できる可能性があります。ぜひ実践してみてください。