将来的には子どもがほしい…。いつか子どもを産むかもしれない…。いつかはわからなくても、妊娠や出産、生理については正しい知識を仕入れておきたいですね。認定不妊カウンセラーの笛吹和代さんが、今回は特に20代後半女性からよく聞かれるという質問にお答えします。

妊活を始めたら1年くらい様子を見て

20代からのよくある質問のひとつが「妊活を始めて2〜3ヶ月経ちますが、妊娠しません」というものです。

この質問の背景にあるのも妊娠や性に関する知識不足です。「避妊せずに性交をすれば妊娠する」という思い込みなのでしょう。そこで質問者さんに「排卵日に合わせて性交していますか?」と確認すると、「していない」と答える人がけっこう多いのです。つまり避妊しなければ1回の性交で妊娠してしまうという思い込み。ある意味、不本意な妊娠へのおそれが高じて、誤った思い込みをもったまま大人になってしまったように感じます。

妊活のはじめのステップになるのが「タイミング法」という方法です。排卵日と思われる日に合わせて性交する方法なので、よく「タイミングを取る」などと表現されます。冒頭のような質問者さんも「タイミング法を始めている」「タイミングを取って」という言い方をされますが、よく話を聞いてみると、単に1か月に1回性交すればいいくらいの認識だったりします。タイミング法とは、排卵日付近にタイミングよく性交することです。一番妊娠率が高いのは排卵日2日前の性交渉と言われています。

排卵日については正確に「今日」とか「明日」とか、見定めることはできません。また、たとえ排卵日2日前にピタリと合っても妊娠に至らないこともあります。なので、妊活を始めて1年くらいは様子を見ましょう。2〜3ヶ月で結果が出なくても焦らないでください。

そして、1年経っても妊娠しなければ、不妊症の可能性もアリと考えられるので、男女ともに不妊検査を受けることをおすすめします。

生理用品や体温計のメーカーのサイトもチェック

こうした素朴な疑問に答えてくれるものとして、たとえば婦人科系のサイト。クリニックに行くとわかりやすいパンフレットなどが置いてあります。ただ、残念なことに、実際にこうした情報を必要とする人にこれらが届いていないのが実情のようです。

上のような質問が素朴であればあるほど、今さらすぎて質問しにくい、だれに聞いていいかわからない。また、こうした事がらをネット検索すると、婦人科クリニックのサイトが上位に並びます。私は、婦人科のサイトを開けて答えを探すのが、こうした質問者さんにはちょっとハードルが高いと感じています。文章が長いですし、専門用語が多いですしね。

比較的わかりやすいと思うのが、生理用品や体温計などのメーカーのサイトです。ユーザー目線で見やすく、妊活初心者でも読みやすいかなと思います。

妊活を始めようかな、というとき、そのやり方をだれに聞いたらいいの? というと、たしかに迷いますよね。そんなことは学校でも健診でも教えてくれていないと思います。いつかの日の妊娠や出産のために、正しい知識を婦人科専門の情報から仕入れておきましょう。

タイミング法も正しい方法で行わなければ時間のムダに。

■プロフィール

妊活の賢人 笛吹和代

働く女性の健康と妊活・不妊に関する学びの場「女性の身体塾」を主宰する「Woman Lifestage Support」代表。日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー。臨床検査技師でもある。化粧品メーカーの開発部に勤務中、29歳で結婚。30代で不妊治療を経て出産。治療のために退職した経験から、現在は不妊や妊活に悩む女性のための講座やカウンセリングを行なっている。著書に『あきらめない妊活〜キャリアと不妊治療を両立させる方法』がある。