以前、マイナビニュースでもご紹介した、炭火焼きした魚の頭から尻尾まですべてをスープに使った濃厚中華そばを提供する「炭火焼濃厚中華そば 海富道」(しーふーどう)に、この度新メニューが登場した。しかも使われている食材はなんと高級食材「金目鯛と白子」。これは食べに行かなくては、ということで早速試食会に参加してきた。

「金目鯛と白子」を使った極上スープを楽しめるラーメンを食べてきた


○フードロス解決と美味しいラーメンの提供の両立がコンセプト

神田駅北口の交差点すぐ近くに店を構える「海富道」は、買い手が付かず行き場を失ってしまう、“もったいない魚たち”を活かし、フードロスの解決と美味しいラーメンの提供の両立をコンセプトとして2021年5月にオープン。「海老」「鯖」「烏賊」など、他では食べることはできない唯一無二のスープによるラーメンが人気となっている。

コロナ禍の影響により都内を中心とした居酒屋店舗は営業がままならず、豊洲市場では白子や金目鯛を含む水産物の需要が減少している。さらに、消費量が圧倒的に少なくなっている一方で生産元では継続して水揚げされているため、金目鯛と白子も買い手がなく行き場を失った食材となってしまっているという。そこで今回、豊洲最大手の仲卸業者である「山治」から“もったいない食材”の提案を受け、タッグを組んで「金目鯛のお頭」と「白子」を使ったラーメンの開発に取り組んだのが新メニュー「金目鯛と白子」だ。

「海富道」の様式美を感じさせる「金目鯛と白子」定食1,200円


間違いなくここでしか食べることができないラーメンだ(右側の鯛の頭と白子は撮影用です)


「海富道」の特長は、なんといっても食材をまるごとじっくり炭火焼きして使っているところ。金目鯛はもちろん、白子も焼いてから特殊ペースト化にして、ベースとなる飛び魚アゴ出汁と合わせてスープを完成させている。見ると、ところどころに赤い粉末状の金目鯛が入っているのがわかる。ひと口スープをすすってみると、まさに金目鯛を塩焼きしたような味わいがしっかりと感じられた。

旨味たっぷりで後味の良い極上スープ


また、白子のまろやかさがとても優しく、口あたりがとてもいい。麺にもしっかりと絡んで、食べ応えもあり。単品は1,050円、定食は1,200円。ごはんとスープの相性もバッチリなので、定食で食べることをおすすめしたい。口にした瞬間のインパクトはあるが、上品で後味がよくとても食べやすく、スープの残り一滴まで飲み干してしまう美味しさだった。

スープがしっかり絡む麺は食べ応えあり


定食を頼んだら海苔とスープでこんな感じでごはんを食べたくなるはず


普段はなかなか食べる機会がない高級食材「金目鯛と白子」をラーメンで手軽に味わうことができるのはかなりうれしい。コロナ禍で発生した市場の弊害「新型フードロス」の解決策の1つとして、“もったいない食材”を使ったメニューづくりに取り組んでいる「炭火焼濃厚中華そば 海富道」。今後もどんな新メニューが開発されるのか注目したい。

●information

「炭火焼濃厚中華そば 海富道」

東京都千代田区神田 鍛冶町3丁目3番2号 床屋3ビル

営業時間:11:00〜23:00

休:不定休

岡本貴之 おかもと たかゆき 1971年新潟県生まれのフリーライター。音楽取材の他、グルメ 取材、様々なカルチャーの体験レポート等、多岐にわたり取材・ 執筆している。趣味はプロレス・格闘技観戦。著書は『I LIKE YOU 忌野清志郎』(岡本貴之編・河出書房新社)」 この著者の記事一覧はこちら