「バルセロナ、市場価値よりも高く買った10人の明暗」

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深刻な財政難に陥ったことで、リオネル・メッシの放出を余儀なくされたバルセロナ。

ここでは、『Transfermarkt』を参考にして、バルサが市場価値より高く買った選手たちを調べてみた。

ウスマヌ・デンベレ

2017年、ドルトムントから加入

移籍金:1.35億ユーロ(174億円)
当時の市場価値:3300万ユーロ(42億円)
差額:マイナス1.02億ユーロ(131億円)

レンヌでブレイクすると、引き抜かれたドルトムントでも大暴れしていた当時20歳のデンベレ。練習をボイコットする強硬手段でバルサ移籍を実現させた。

香川真司も驚嘆するほどの才能を持っていたが、怪我や規律面の問題で伸び悩むことに。

バルサでの118試合で30ゴールは期待に応えられているとは言えない。来年で25歳と中堅になるが…。

フィリペ・コウチーニョ

2018年1月、リヴァプールから加入

移籍金:1.35億ユーロ(174億円)
当時の市場価値:9000万ユーロ(116億円)
差額:マイナス4500万ユーロ(58億円)

リヴァプールでは10番をつけて大暴れしていた当時25歳のコウチーニョ。1年越しで念願のバルサ移籍を果たすも、期待されていたほどのインパクトは放てず。

ここまで、91試合で23ゴールに留まっている。リヴァプールへのボーナス払いも考えれば、高くついた感は拭えず。29歳になった彼の契約は2023年まである。

ネイマール

2013年、サントスから加入

移籍金:8820万ユーロ(113億円)
当時の市場価値:5000万ユーロ(64億円)
差額:マイナス3820万ユーロ(49億円)

当時21歳だったネイマールは史上最強の3トップMSNの一角を担うなど、バルサでの186試合で105ゴールを決めた。そのほか、ブランド価値などを考えれば、相当な効果を生み出した移籍といえる。

ただ、この取引は後に訴訟沙汰になったほか、PSGへ去っていったネイマールとバルサも多くの訴訟を抱えるなど、何とも評価が難しい部分も。

ルイス・スアレス

2014年、リヴァプールから加入

移籍金:8172万ユーロ(105億円)
当時の市場価値:5200万ユーロ(67億円)
差額:マイナス2972万ユーロ(38億円)

加入直前にワールドカップで噛み付き事件を起こした当時27歳のスアレス。だが、そんな騒動をあっという間に忘れさせるほどの活躍を見せた。

クラブ史上3位となる通算198ゴールを決めるなど、チームに絶大な貢献を果たす。親友になったリオネル・メッシをピッチ内外で支える存在でもあった。

ただ、最後は喧嘩別れのような形で追い出されるはめに…。

ズラタン・イブラヒモヴィッチ

2009年、インテルから加入

移籍金:6950万ユーロ(89.5億円)
当時の市場価値:4500万ユーロ(58億円)
差額:マイナス2450万ユーロ(31.5億円)

サミュエル・エトーとの交換トレードのような形でリーガにやってきた当時27歳のイブラ。

メッシとの共演など期待値は非常に高かったが、わずか1年でチームを去ることに。

46試合で22ゴールを決めるなど一定の結果は残したが、ジョゼップ・グアルディオラ監督との関係が崩壊。今でも忌み嫌うほどになってしまった。

ダニ・アウヴェス

2008年、セビージャから加入

移籍金:3550万ユーロ(45億円)
当時の市場価値:2000万ユーロ(25億円)
差額:マイナス1550万ユーロ(20億円)

セビージャでリーガ屈指の攻撃的サイドバックに成長すると25歳でバルサに引き抜かれたアウヴェス。

右サイドでメッシとの最強レベルのホットラインを形成するなどクラブを長年にわたって支え続けた。

通算391試合で21ゴール101アシストを記録したが、その貢献度は計り知れない。もはや超お買い得だったといえるレベルだ。

ミラレム・ピャニッチ

2020年、ユヴェントスから加入

移籍金:6000万ユーロ(77億円)
当時の市場価値:4500万ユーロ(58億円)
差額:マイナス1500万ユーロ(19.3億円)

アルトゥールとの謎のトレードで加入したため、移籍金については評価が難しい。

結局、ロナルト・クーマン監督から干され続けたバルサでは30試合で0ゴール0アシストに終わる。

ベシクタシュにローン移籍後、加入当初からバルサで冷遇されたことへの不満をぶちまけた。ただし、バルサ移籍は後悔していないとのこと。

ドミトロ・チグリンスキー

2009年、シャフタールから加入

移籍金:移籍金:2500万ユーロ(32.2億円)
当時の市場価値:1350万ユーロ(17.4億円)
差額:マイナス1150万ユーロ(14.8億円)

ピャニッチ同様にバルサ史上に残る不可思議移籍のひとつ。

190cmを超える体躯を持つ、エレガントなCBだったチグリンスキー。当時22歳と若かった彼は、結局バルサでは14試合にしか出場できず。

入団当初は「将来性もあり、このクラブで長い時間過ごすことになるだろう」と首脳陣から期待されており、ジョゼップ・グアルディオラ監督も長期的に見ていたが、ジョアン・ラポルタ会長が財政の安定のために売却した。

サミュエル・ウンティティ

2016年、リヨンから加入

移籍金:2500万ユーロ(32.2億円)
当時の市場価値:1500万ユーロ(19.3億円)
差額:マイナス1000万ユーロ(10億円)

リヨンでブレイクしていた当時の22歳のウンティティを確保したバルサ。

2シーズン連続で40試合以上に出場するなど確かな貢献を見せ、お買い得移籍になったかと思われた。

だが、膝の怪我もあり、3年目から出場機会が減少。バルサではファンからブーイングを浴びる存在になってしまった。まだ27歳だが…。

マーティン・ブレイスウェイト

2019年2月、レガネスから加入

移籍金:1800万ユーロ(23.2億円)
当時の市場価値:800万ユーロ(12.8億円)
差額:マイナス1000万ユーロ(10億円)

デンベレの負傷離脱により、移籍期間外の緊急補強として獲得。バルサは当時28歳のブレイスウェイトを引き抜くために、リリース条項を満額支払った。

前線で幅広くプレーできるうえ、スピードや献身性も併せ持つ有用な選手ではあるが…。バルサではここまで56試合で10ゴールを記録している。

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ちなみに、1.08億ユーロ(139億円)の移籍金がかかったアントワーヌ・グリーズマンだが、市場価値よりは900万ユーロ(11億円)ほど安く買えている。