2014年、宇都宮市の認可外保育施設で宿泊保育中に当時生後9カ月の女の子が死亡した事件で、女の子の両親にうその説明をして保育料などをだましとったとされる詐欺についての裁判が24日、宇都宮地方裁判所で開かれ施設の元経営者の女に懲役6カ月の判決が言い渡されました。

詐欺の罪に問われたのは、宇都宮市の認可外保育施設といずの元経営者木村久美子被告(64)です。

判決によりますと、木村被告は預かった子どもをひもで縛って放置するなど不適切な保育をしていたにもかかわらず、「安全面・健康面に細部までこだわってお世話します」などと、うその説明をして、宿泊保育中に放置され死亡した当時生後9か月の山口愛美利ちゃんの両親から保育料など合わせておよそ80万円をだましとったとされています。

この裁判をめぐっては2014年に愛美利ちゃんの両親が木村被告らを詐欺の疑いで刑事告訴しましたが宇都宮地検が不起訴に、その後検察審査会で不起訴不当とされ、おととし詐欺の罪で起訴されました。

24日の判決で岡田健彦裁判長は、「虐待的な保育を行っていたにも関わらず行き届いた保育をしているように宣伝し、子を思う親の心を利用した。自分たちの利益を追求した悪質な犯行」と指摘しました。

また「犯行を一貫して否認して不合理な弁解に終始し反省の態度も全く見られない」と述べました。

一方で被告が愛美利ちゃんへの保護責任者遺棄致死罪などで懲役10年が確定し服役中であることなども考慮し、懲役1年の求刑に対し懲役6カ月の判決を言い渡しました。