清原和博さん(写真:Motoo Naka/アフロ)

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元プロ野球選手の清原和博さんが2021年6月16日、うつ病に苦しむ現状をYouTubeで赤裸々に告白した。

動画の中では、清原さんが「一番腹立たしかった」ことだとして、うつ病に関する一部の球界OBの言動に苦言を呈す場面もあった。

「簡単に心の風邪とか言い切ってしまう人もいますけど...」

アップされたのは、「うつ病に悩む全ての人たちへ60分の激白【前編】」と題した動画。清原さんは冒頭、「簡単に心の風邪とか言い切ってしまう人もいますけど、そんな簡単なものではなくて」と切り出した。

「僕もこの4週間で3回通院してるんですけど、ちょっとうつの状態が悪くなっていまして...」

そう語った清原さんは、「つい最近、大坂なおみ選手がうつ病ということで......」と、プロテニスプレーヤーの大坂選手がツイッターでうつの症状を明かしたことに触れた。

世界で活躍する大坂選手の告白について、清原さんは、

「自分との闘いに勝てる人がうつ病に侵されてしまったという......それほどうつ病というものは恐ろしい病気で。僕は彼女が発表してくれたことによってなぜか僕、救われたんですよ」

と語った。

また、自身も現役時代に対戦経験がある元中日ドラゴンズの門倉健氏が2021年5月に失踪し、無事自宅に戻ったもののうつ病であると診断された件にも触れ、

「一番腹立たしかったのは、ネットニュースか何かで球界OBが、門倉投手に対してすごいその心ないコメントを出した人がいるんですよ。せめてプロ野球界だけは、人を批判するときはしっかりと自分の名前を名乗って出て欲しい」

と匿名で心ない言葉を投げかけるようなことは避けて欲しいと憤りを露わにした。

「重度の睡眠障害」で入院を勧められる

伝えたいことをメモしてきたという清原さん。手元に置かれたノートには、びっしりと文章が書き込んである。

そんな清原さんは、ある日突然うつ症状に見舞われた、と振り返る。

「自分の場合は身体が怠い、何も考えられない、1日中横になっている、誰とも話す気がしない、起きているのか寝ているのか分からない......天井の一点を1日中見ている......何も考えられなくて、トイレに行くのも億劫」

食べようとすることすら面倒で、シャワーも1週間入らないような状況が続き、病院に行ったところ診断を受けたという。

清原さんはうつと診断された後に薬を出され、現在も服薬中だというが、薬の相性を見ながら一歩一歩進んでいる状態だと語った。

「風邪薬のように、飲んだらすぐ治るとか、そういうものじゃないんですよね。2週間から3週間様子を見て、よくなっているかどうか......」

また、5月に薬物依存に関するインタビューを受けてからうつ症状が酷くなっているといい、感情のコントロールに苦労することも増えたと明かしている。

「あのインタビュー以来、感情の上がり下がりが激しすぎて......車の運転も危ない。ちょっと割り込まれただけでイラッとする。今までは何ともなかったんですけど、煽り運転までは行かないんですけど、その人の(煽るような)気持ちは理解できるな、くらいに思ったり」

直近の通院では、「重度の睡眠障害」と診断され、入院も勧められたという。

こうした清原さんの赤裸々な告白に、SNS上では続々とエールが送られている。

「ご本人のつらさを、他の人が取り除くことはできないけど、ひとりで抱えず、助けを借りながら、せっかく歩いてきた回復の道、時には立ち止まりながらでも、なんとか前に進んでいかれることを、願うばかりです」
「誰であろうと名前を知られている人がうつを公言してくれるのは、わたしは勇気付けられる」