コワーキングスペースや図書館での作業に最適、スタンド内蔵で自立するPCバックパック
ITライター・山口真弘の気になるグッズラボ
〜コクヨ「Third Field Stand Backpack」レビュー
2021年02月22日
TEXT:山口真弘(ITライター)
バッグを持ってコワーキングスペースや図書館に移動し、そこで作業を行う場合、荷物の出し入れはなにかと面倒なものです。
というのも、ノートPCとACアダプターのようにすぐ使うアイテムは別として、使うか使わないか分からないアイテムは、そのたびにバッグから取り出したり中に戻したりする羽目になるからです。何かが必要になるたびバッグを膝の上に乗せ、奥まで手を突っ込んでゴソゴソと探すのは、かなり面倒だったりします。
そもそもノートPC用のバッグのほとんどは、壁などに立てかけないと横倒しになってしまいます。とくにバックパック型は、フロアに置いたときに自立しにくく、中に入れたモノの探しづらさは、通常のバッグの比ではありません。
こうした使い勝手にフォーカスした、薄型PCバックパックの進化形といえるのが、今回紹介するコクヨの「Third Field Stand Backpack」です。メーカーから借用して実際に使ってみましたので、その特徴を紹介します。
大きな凹凸のないスッキリした外観。色はNavy BlackとDark Grayをラインナップ
一般的なリュック形状。左右のショルダーベルトを胸元でつなぐベルトはありません
本製品は「スタンドバックパック」という名称からも分かるように、自立するためのスタンドを備えたバックパックです。ボディの厚みは10cm程度しかないスリムサイズですが、正面の下半分を開くことで、フォトスタンドのように、単体で立てた状態を維持できます。
この構造ゆえ、デスクの脇に立てておけば、ノートPCや書類などを、座った状態で上から簡単に取り出せます。これならば、中身を取り出すにあたって、いちいちバッグを持ち上げ、デスク上や膝の上に乗せなくても済むというわけです。
ノートPCを収納するポケット部には耐衝撃構造が施されていますので、保護ケースなしでノートPCをそのまま放り込めます。ちなみに今回紹介している13.3型対応モデルのほかに15.6型対応の大型版もラインナップされていますので、ほぼすべてのノートPCやタブレットを収納できます。
表面は撥水加工済み。見た目は普通のスリムタイプのバックパックですが…
スタンドが内蔵されており、手前に引き出すことで立てて置くことができます
ちょうどフォトスタンドのような状態になるため、安定感に優れています
下部の収納スペースが空の状態であっても倒れにくいバランスを維持できます
本製品は内部構造もユニークです。上部からノートPCをスロットインする構造は一般的なノートPC用バックパックと同じですが、そのすぐ手前には、ACアダプタやマウス、筆記具、スマホ、モバイルルーターや財布など、小物類を収納するスペースが設けられています。
通常こうした小物類は、本体下部に設けられたポケットに入れるのが一般的ですが、本製品は敢えてこれらを上部に配置することで、チェアに座った状態でも手が届くよう工夫されています。開口部は広く、かつ布地も明るいグレーですので、小物類がバッグの奥深くに入り込んで、黒い布地にまぎれて迷子になることもありません。
またその小物収納スペースには、ファスナーで区切られたメッシュポケットがあり、こちらは本体の外側からもアクセスできます。PCと同時に使うACアダプタなどはメインのスペース、単体で使う財布や文具類はメッシュポケットといった具合に、使い分けると便利です。
口が大きく開くのでノートPCの出し入れはもちろん、小物類の出し入れも容易です
ノートPCを入れるポケットは耐衝撃構造が施されており、直接入れることができます
小物収納スペース。十数センチの深さがあり、アダプタやマウスなどを収納できます
メッシュポケットで区切られたスペースは本体の外側からもアクセスできます
通常のバッグであればメインの収納部となる空間は、側面からの出し入れになります。通常であれば上から入れるべきところ、本製品は上部に小物入れがあることから、横からのアクセスになるわけです。
あまり見かけない構造ですが、こちらにはテレワークに関係ないモノをまとめて収納するといった具合に、用途をあらかじめ分けておけば、合理的な使い方が可能になります。また側面の反対側には、ペットボトルや折りたたみ傘を収納できます。外部にポケットのあるバッグと違い、完全に内部に収納できるのがミソです。
このほかにも、背面に隠しポケットがあったり、キャリーバッグのハンドルに通すためのベルトが準備されていたりと、細かな工夫にあふれています。また本体上部の取っ手をまとめるベルトが取り付けられているのも、見た目が乱雑にならないようにするのはもちろん、盗難防止にも有効です。
下部スペースは横から出し入れします。PCでの作業と関係ないモノの収納に適します
下部スペースの反対側にはペットボトルや折りたたみ傘などを収納できます
ペットボトルを入れる部分の隣には背面にアクセスできる隠しポケットを用意
キャリーバッグにセットするための幅が広いベルトも備え付けられています
今回実際に使って利点だと感じたのは、荷物を「入れっぱなし」にしておけることです。コワーキングスペースや図書館などで作業をする割合が増えると、いざ自宅やオフィスに戻っても中の小物を毎回取り出すことはせず、必要な荷物が詰まった状態を維持しておき、それをその都度持ち出す形になりがちです。
もっとも通常のPCバッグでこれをしようとすると、小物類を使う時に毎回バッグを持ち上げて取り出すのがストレスで、やはり荷物はいったんすべて取り出してしまおう……となりがちです。しかしフロアに置いたままアクセス可能な本製品であれば、そうした問題はありません。むしろ整理整頓につながるほどです。
一般的にスリムタイプのバッグは、その薄さばかりが重視され、機能面で物足りなさを感じることも少なくありませんが、本製品は機能豊富で、使い勝手もよく工夫されています。新製品ということもあってか、実売価格はさすがにそこそこしますが、バッグはいったん買うと長く利用する製品でもあり、投資する価値はある製品と言えそうです。
製品名:Third Field Stand Backpack(TFD-B11BD)
実売価格:18,150円
発売元:コクヨ
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B08SBS4M7D/
[筆者プロフィール]
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
〜コクヨ「Third Field Stand Backpack」レビュー
2021年02月22日
TEXT:山口真弘(ITライター)
バッグを持ってコワーキングスペースや図書館に移動し、そこで作業を行う場合、荷物の出し入れはなにかと面倒なものです。
というのも、ノートPCとACアダプターのようにすぐ使うアイテムは別として、使うか使わないか分からないアイテムは、そのたびにバッグから取り出したり中に戻したりする羽目になるからです。何かが必要になるたびバッグを膝の上に乗せ、奥まで手を突っ込んでゴソゴソと探すのは、かなり面倒だったりします。
こうした使い勝手にフォーカスした、薄型PCバックパックの進化形といえるのが、今回紹介するコクヨの「Third Field Stand Backpack」です。メーカーから借用して実際に使ってみましたので、その特徴を紹介します。
大きな凹凸のないスッキリした外観。色はNavy BlackとDark Grayをラインナップ
一般的なリュック形状。左右のショルダーベルトを胸元でつなぐベルトはありません
本製品は「スタンドバックパック」という名称からも分かるように、自立するためのスタンドを備えたバックパックです。ボディの厚みは10cm程度しかないスリムサイズですが、正面の下半分を開くことで、フォトスタンドのように、単体で立てた状態を維持できます。
この構造ゆえ、デスクの脇に立てておけば、ノートPCや書類などを、座った状態で上から簡単に取り出せます。これならば、中身を取り出すにあたって、いちいちバッグを持ち上げ、デスク上や膝の上に乗せなくても済むというわけです。
ノートPCを収納するポケット部には耐衝撃構造が施されていますので、保護ケースなしでノートPCをそのまま放り込めます。ちなみに今回紹介している13.3型対応モデルのほかに15.6型対応の大型版もラインナップされていますので、ほぼすべてのノートPCやタブレットを収納できます。
表面は撥水加工済み。見た目は普通のスリムタイプのバックパックですが…
スタンドが内蔵されており、手前に引き出すことで立てて置くことができます
ちょうどフォトスタンドのような状態になるため、安定感に優れています
下部の収納スペースが空の状態であっても倒れにくいバランスを維持できます
本製品は内部構造もユニークです。上部からノートPCをスロットインする構造は一般的なノートPC用バックパックと同じですが、そのすぐ手前には、ACアダプタやマウス、筆記具、スマホ、モバイルルーターや財布など、小物類を収納するスペースが設けられています。
通常こうした小物類は、本体下部に設けられたポケットに入れるのが一般的ですが、本製品は敢えてこれらを上部に配置することで、チェアに座った状態でも手が届くよう工夫されています。開口部は広く、かつ布地も明るいグレーですので、小物類がバッグの奥深くに入り込んで、黒い布地にまぎれて迷子になることもありません。
またその小物収納スペースには、ファスナーで区切られたメッシュポケットがあり、こちらは本体の外側からもアクセスできます。PCと同時に使うACアダプタなどはメインのスペース、単体で使う財布や文具類はメッシュポケットといった具合に、使い分けると便利です。
口が大きく開くのでノートPCの出し入れはもちろん、小物類の出し入れも容易です
ノートPCを入れるポケットは耐衝撃構造が施されており、直接入れることができます
小物収納スペース。十数センチの深さがあり、アダプタやマウスなどを収納できます
メッシュポケットで区切られたスペースは本体の外側からもアクセスできます
通常のバッグであればメインの収納部となる空間は、側面からの出し入れになります。通常であれば上から入れるべきところ、本製品は上部に小物入れがあることから、横からのアクセスになるわけです。
あまり見かけない構造ですが、こちらにはテレワークに関係ないモノをまとめて収納するといった具合に、用途をあらかじめ分けておけば、合理的な使い方が可能になります。また側面の反対側には、ペットボトルや折りたたみ傘を収納できます。外部にポケットのあるバッグと違い、完全に内部に収納できるのがミソです。
このほかにも、背面に隠しポケットがあったり、キャリーバッグのハンドルに通すためのベルトが準備されていたりと、細かな工夫にあふれています。また本体上部の取っ手をまとめるベルトが取り付けられているのも、見た目が乱雑にならないようにするのはもちろん、盗難防止にも有効です。
下部スペースは横から出し入れします。PCでの作業と関係ないモノの収納に適します
下部スペースの反対側にはペットボトルや折りたたみ傘などを収納できます
ペットボトルを入れる部分の隣には背面にアクセスできる隠しポケットを用意
キャリーバッグにセットするための幅が広いベルトも備え付けられています
今回実際に使って利点だと感じたのは、荷物を「入れっぱなし」にしておけることです。コワーキングスペースや図書館などで作業をする割合が増えると、いざ自宅やオフィスに戻っても中の小物を毎回取り出すことはせず、必要な荷物が詰まった状態を維持しておき、それをその都度持ち出す形になりがちです。
もっとも通常のPCバッグでこれをしようとすると、小物類を使う時に毎回バッグを持ち上げて取り出すのがストレスで、やはり荷物はいったんすべて取り出してしまおう……となりがちです。しかしフロアに置いたままアクセス可能な本製品であれば、そうした問題はありません。むしろ整理整頓につながるほどです。
一般的にスリムタイプのバッグは、その薄さばかりが重視され、機能面で物足りなさを感じることも少なくありませんが、本製品は機能豊富で、使い勝手もよく工夫されています。新製品ということもあってか、実売価格はさすがにそこそこしますが、バッグはいったん買うと長く利用する製品でもあり、投資する価値はある製品と言えそうです。
製品名:Third Field Stand Backpack(TFD-B11BD)
実売価格:18,150円
発売元:コクヨ
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B08SBS4M7D/
[筆者プロフィール]
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn