「プロポーズの瞬間がキタ!」と女が期待したら…。交際3年で男が放ったショッキングな一言
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は?
▶前回:デート中に男と女が交わした、旅行の約束。その後、彼女が突然フェードアウトした理由は…
「勝、どうして?私たち交際してもう3年だよ?どうして結婚できないの?」
現在34歳で、勝も同じ歳。交際当初から結婚を意識して付き合ってきたつもりだったし、彼の親にも私の親にも会ったことがある。
年齢的にも、交際期間的にも、結婚する相手なのだと信じて疑っていなかった。
けれども今、私の眼の前に座っている彼は、まるで別人みたいだ。一時期は結婚の約束までしていたのに、どうしてこのタイミングでそんなことを言い始めたのだろうか。
「ちょっと待ってよ。私の3年間はどうなるの?この歳で、どうすればいいの?」
「ごめんな、陽子。陽子は何も悪くないんだけど、どうしても今は結婚を考えられないんだよ」
「そんな・・・」
この3年間、ずっと信じていた。大きな喧嘩もしていないし、お互い幸せだった。
ただでさえ最近、周りは続々と結婚しているのに、“どうして自分だけ”という思いが強くなる。
-このまま一生結婚できなかったらどうしよう・・・。
そんな不安に押し潰されそうになり、私は涙が止まらなかった。
3年付き合ったのに、女が結婚までいかなかった理由とは
Q1:もし時間を巻き戻せるならば、女は何をするべきだった?
勝と出会ったのは、食事会の席だった。大手の広告代理店勤めで、優しくて面白くて、私たちがデートから交際に発展するまで時間はかからなかった。
「陽子ちゃんって、本当に今彼氏いないの?立候補してもいい?」
3度目のデートの帰り道。彼からそう言われ、私は大きく頷いたことを覚えている。
そこから週に一度くらい会うようになり、順調に交際をスタートさせた。
付き合って約半年経った頃には、当然のことながら結婚の話にもなった。
「勝、結婚のこととか考えてくれているの?」
交際して初めて迎えた誕生日。私は思い切って彼に聞いてみた。
「もちろんだよ。お互いいい年齢だし、この歳での交際は結婚を見据えてだと思うし・・・ただ、もう少し待ってほしい」
「何で?今すぐにはないの?」
すると勝は、しばらく空を仰ぎながら何か考えている。そして、しばしの沈黙の後、意を決したようにこう伝えてくれたのだ。
「実は転職をするかもしれなくて。そうなると収入も変わってくるだろうから、そこが落ち着いてから、ちゃんとした状態で結婚したいんだ」
勝はいつだって真っ直ぐだ。彼の真面目な性格は、私が一番よく知っている。
彼のことだから結婚するにあたって、収入など全てが安定した状態で私を迎えたい、という強い男気があるのだろう。
そこまで真剣に考えてくれているのが嬉しくて、私は笑顔で小さく頷く。
「そっか、そうだよね・・・結婚だもんね。分かった、待っているよ」
「陽子、ありがとう。やっぱり陽子は最高だな」
こうして、二人で過ごす最初の誕生日が終わった。
そしてここから、勝は宣言通り会社を辞め、学生時代からの友人が立ち上げたベンチャー企業へ転職したのだ。
当然の如くお給料は下がるし、安定性もない。以前の会社は誰もが知っている業界トップ3には入る会社だっただけに、不安も大きかった。
「勝、本当に大丈夫なの?」
「大丈夫。絶対に、成功するから」
「そっか。勝がそう言うならわかったけど・・・」
そんな中迎えた交際二年目の私の誕生日は、勝がとても忙しく、バタバタと終わってしまった。
好きなはずなのに、女との結婚を決意できなかった理由は?
Q2:嫌いになったわけじゃない。けれども男が結婚を放棄した理由は?
それから月日は流れ、交際期間ももうすぐ3年になろうとしていた頃。
なんとなく、向こうが結婚の話を避けているのには気がついていた。けれどもこちらとしては呑気に待っていられる状態でもなくなってきたので、勝に一度問い詰めてみることにしたのだ。
だが私も馬鹿ではない。男に結婚を迫るのではなく、あくまでも諭す感じで優しく聞いてみた。
「勝、この先私たちはどうするの?将来のこと、考えてくれているの?」
「え?あ、うん・・・まぁ考えているから、もう少し待って」
この時はこれっきりで会話が終わってしまったが、心のどこかで期待もしていた。
交際3年。大きな喧嘩もなく、毎週会って楽しく過ごせる関係。お互いの両親も知っているし、共通の友達もかなり増えた。
知り合いの結婚祝いパーティーには一緒に参加するし、もはや夫婦同然の仲。向こうが浮気をしている気配もないし、私だってしていない。
-もう少し待つしかないか・・・
そう思いながら、気がつけば私は34歳になっていた。
「やっぱりここの生ハムはウマいなぁ」
いつもと変わらぬ様子の勝。優しい眼差しは、出会った時から変わらない。けれどもどこかソワソワしている。
34歳。いい年だし、そろそろ私たちの結婚の話が具体的に進んでも良いだろう。
それにお互い何も悪いところがない。結婚するならば、これ以上の人はいないし、彼だって同じ気持ちのはず。
「陽子・・・」
「なーに?♡」
「陽子は、結婚したいの?」
突然の勝からの質問に、胸が高鳴る。いよいよプロポーズの瞬間だろうか。
「も、もちろん!!」
この時を、待ちわびていた。ようやくこれで独身から抜けられる。親に会うたびに“いつ結婚なの?”と言われることもなくなり、結婚した友人たちの主婦トークにも入れるようになるのだろうか。
けれども勝の気持ちは、私が考えていたこととは真逆の方へといっていた。
「そっか・・・ごめん。陽子のことを好きな気持ちに変わりはないんだけど、今すぐには結婚できないんだ」
「え・・・??」
あまりにも予想外の展開に、理解が追いつかない。
「もし結婚したいならば、他を探して欲しい」
目の前が真っ暗になる。
交際3年、34歳。全ての事実が重くのしかかり、怒りが絡んだ哀しみに言葉を失ってしまった。
彼が嫌がるようなことはしていないし、誰から見ても私は良い彼女だったと思う。
-どうして・・・どうして私は結婚できないの?もう34歳なのに。どうしよう。
そしてとんでもない焦りと将来への不安に襲われたのだ。
▶前回:デート中に男と女が交わした、旅行の約束。その後、彼女が突然フェードアウトした理由は…
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男が結婚しないと決めた理由とは?