'20年2月、復帰について直撃取材を受ける徳井義実

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 2019年10月に発覚した税務申告漏れなどで、活動自粛が続いていたチュートリアルの徳井義実。彼が活動を再開したのは、2020年2月だった。3月にはラジオのレギュラー番組に復帰したほか、東京・ルミネtheよしもとからのライブ配信で相方と漫才を披露。

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 8月には『東野・岡村の旅猿』(日本テレビ系)にゲスト出演し、久々の地上波テレビへ出演。しかし、テレビのレギュラー番組への復帰は、すべて見合わせが続いてきた。そんな徳井が14日、約1年ぶりに『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)に出演した。

芸人からの芸人としての「評価」は

 番組の冒頭、そこにはレギュラーMCの後藤輝基(フットボールアワー)、SHELLY、指原莉乃に挟まれ神妙な顔つきで立つ徳井の姿が。

「今回から徳井が復帰することになりました」

 そんな後藤の前置きを受け、徳井は話し始めた。

「私自身の至らなさのせいで、この番組、約1年間ほどお休みしておりました。改めて、視聴者の方々や不快に思われた方々にお詫びしたいと思います。本当にすみませんでした」

 番組出演を自粛していたこの期間に、社会人としての未熟さを反省したこと。今後は納税をはじめ「国民の義務」を果たしていくこと。今日から改めてゼロからの気持ちで番組に参加すること。そんな謝罪と反省、約束と決意を述べた徳井は、カメラの前で深々と頭を下げた。

 その後はゲストを迎えていつものように番組は展開。進行ゲストとして先輩の今田耕司が登場し、徳井はそのアシスタントを担った。

「あぁ、こんなんやったなぁ、みたいな。『テレビのヤツや』っていう感じ」

 久々に参加したスタジオでのテレビ収録にそう語る徳井だったが、番組の進行を実質的に担い、共演者らとのトークも切り盛りする姿は、約1年のブランクをあまり感じさせないものだった。

 もともと、芸人としての徳井への周囲からの評判はすこぶる高かった。彼自身は気づいていなかったようだが、吉本興業の芸人養成所であるNSC大阪校で同期だった、くっきー!(野性爆弾)や井上聡(次長課長)によると、「同期にえげつないやつおる」などと話題になっていたらしい(『ボクらの時代』フジテレビ系、2018年12月16日)。

 後輩である山内健司(かまいたち)も、『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)で最も印象に残っているのはチュートリアルの漫才で、何度も見直したネタはこれが初めてだったと語っている(『ゴッドタン』テレビ東京系、2019年9月28日)。確かに、偏執的なこだわりや妄想で相方を振り回すボケ役という点で、漫才師としての徳井と山内には連続性があるように見える。

 さらに、徳井とは親友として知られ、シェアハウスで共同生活を送っていたこともある小沢一敬(スピードワゴン)は、「今までの漫才師はボケを見せたの。チュートリアルは世界を見せた」と独特の表現で彼らの漫才の独創性を語った。矢作兼(おぎやはぎ)も言う。

「チュートリアルに関しては、ああいう徳井さんみたいなザ・イケメンで、ああいう表情でボケるのって、俺、全然笑えなかったの普段。徳井さんだけだもんね、カッコいいのに笑えた。だから(小沢は)上手いこと言ったと思うよ。ボケじゃなくて世界なんだよね」

 芸人だけではない。徳井が活動自粛中に最終回を迎え、約15年の放送を終えた関西のローカル番組『ビーバップ!ハイヒール』(朝日放送、2020年3月26日)。世間にまだあまり名前が知られていなかったころから、チュートリアルをレギュラーに起用していた番組だ。司会のハイヒールらによると、その最終回の収録スタジオに徳井は来ていたという。しかし、テレビ画面にその姿が映ることはなかった。

 番組のエンディング。チュートリアルと共に番組を支えたブラックマヨネーズやたむらけんじを前に、番組レギュラーを長く務めてきた作家の筒井康隆は言った。

「諸君を前にして甚だ悪いけど、ギャグ一番面白かったの徳井。すごいんだもん、“凄み”が」

「もう1回、諦めんな。
よし、がんばっていこう」」

 チュートリアルは幼なじみで結成されたコンビだ。相方の福田充徳は、「(徳井は)女の先生のスカートの中に一番入ってましたね」と幼稚園時代を振り返り、「僕は『徳井くん』っていうタイトルの作文書いてるんですよ」と小学生のころを懐かしむ(『スタジパークからこんにちは』NHK総合、2014年6月10日)。

 徳井もまた、今までの人生で一番面白かった思い出として、福田と過ごした子どものころの時間をしばしば挙げる。

 そんな福田は相方の活動自粛中、1人でテレビ出演を続けてきた。相方についてあまり多くを語ることなく、ただ待ち続けてきた。

 その福田が、『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系、2020年7月10日)に出演したときのこと。“ステイホーム疲れ”で気が抜けた人たちの相談に福田が乗るという設定で、彼の目の前に自営業の男性が現れる。「徳永」と名乗るその男性は、「最近ダラダラし過ぎて税金を滞納しちゃいました」「明日やろう明日やろうと先延ばしにしてたら、想像を絶するルーズということに気づきました」と、相方を想起させることを言い始める。

 番組を見たことがある人ならわかるように、『脱力タイムズ』はツッコミ役の芸人以外が台本に添って役回りを演じるコント仕立てのバラエティーだ。このときも福田以外はネタを演じ、それに福田が振り回されている。そんな状況下で、福田は「それはあなた、一番ダメですよ」と男性をたしなめつつ、ネタとも本音ともつかない微妙なニュアンスで少しずつ語り始めた。

「あなた今まで正直だらしなかったでしょう。中学のときから夏休みの宿題はやってこなかったですよ、あなたはいつも。でも、それを笑い話にしてずっとここまで来ました」

 しかし、あなたはそのルーズさが笑い話になる場合と、しっかり守らなければならない場合の線引きを、ずっと曖昧にしてきた。その結果が、今なのではないか。そのことを、あなたは今回ようやく気づいたのではないか。反省しよう。周囲の人びとに謝罪し、感謝しよう。そして――

「これからちゃんと前向きに変わっていこうっていう気持ちをもったら、お前いけるから。な? 大丈夫やから。もう1回、諦めんな。わかったか? よし、がんばっていこう」

 徳井は芸能活動を再開した。漫才の舞台に立ち、ラジオのレギュラーに復帰した。地上波のテレビ番組にも出演し、今回ようやくレギュラー番組にも戻ってきた。しかしまだ、相方とのテレビ共演は果たしていない。

「チュートリアルは世界を見せた」と小沢は言った。待ち続けた相方と作る、もしかしたらそれまでより少し奥行きを増しているかもしれない「世界」。それが見られる日を、楽しみに待ちたいと思った。

<文・飲用てれび(@inyou_te)>